Saturday, January 09, 2010

東京のラーメン



 東京出張で先ほど帰ってきた。昨日帰る予定であったが、もう一晩付き合えと上司に言われ、帰りを一日延期し帰ってきた。写真は昨日、中目黒で食べたラーメンである。
 「九州人だったら、やっぱり豚骨でしょう?」と、よく言われる。現に家内は豚骨以外のラーメン屋には行こうとしない。しかしながら私は、写真のような東京ラーメンが大好きである。九州の片田舎で育った私からすれば、琥珀色に輝くスープはむしろ憧れに近いものがある。
 初めて東京ラーメンを目の当たりにしたのは、TVドラマ「どっこい大作」だった。私が小学校低学年の時に放映されていたドラマなのだが、北海道から上京してきた少年の立身出世伝的な物語で、轟音を立てて走り迫る蒸気機関車に「どっこい、どっこい」と相撲の鉄砲を打つオープニングに、記憶のある方も多いと思う。その物語の中で主人公の大作がラーメン屋で修行する章があった。その時、ドラマに出てきたラーメンが白濁スープでないことに、当時少年だった私は驚いた。豚骨ラーメンしか知らない少年は、ブラウン管に登場する醤油ラーメンに恋い焦がれたのだった。実際に食べたわけではないが、それが東京ラーメンとの出会いだった。
 それから数十年。私は東京で数え切れないくらいのラーメンを食べた。池袋で食べ新宿で食べ、テレビや雑誌で昨今評判の店をあちこち食べ歩いた。しかし、残念ながら大仰な評判に、失望されることの方が多かった。むしろ名も無き店の一杯、昔ながらの頑な一杯に感動させられた。
 東京では様々なラーメン屋が、出来ては消え、消えては出来ている。そんな中で、やはり残っていくのは鶏ガラスープに鰹出汁を加えた純粋な東京ラーメンではないだろうか。江戸蕎麦のDNAを受け継ぐラーメンが、東京ラーメンとしてふさわしいと思うし、私は好きである。





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