Saturday, August 30, 2008

唐辛子

 九州では唐辛子のことを胡椒とも言う。ラーメンなどにかけるコショウのことは「洋胡椒」といって使い別ける。青胡椒(青唐辛子)を使った大分県特産の調味料「ゆず胡椒」はもはや全国的に有名になりつつある。
 韓国では料理にふんだんに唐辛子を使うが、一説には秀吉の朝鮮出兵の際に加藤清正が日本から朝鮮半島に持ち来んだらしく、韓国ではこの日本渡来説が定説となっているらしい。本当かどうか知らないが、もし本当だとすると、加藤清正は韓国の食文化に大きな影響を与えたことになる。
 話しは変わるが、九州では一般的に一味唐辛子を使うが、関東では七味を好むようである。九州人は辛さのみを唐辛子に求め、山椒などの風味をむしろ嫌う傾向にある。
 死んだ父が青胡椒を好きだった。夏になれば庭から千切ってきて、そうめんやみそ汁などに入れてよく食べていた。子供の頃、それが男の食べ方だと思っていた。大人の男の食べ方だと思っていた。   


Tuesday, August 26, 2008

KURUMI

 町内にケーキ屋ができた。お店の名前を”KURUMI”と言う。路地裏の奥まったところにあるので、あるいは近所の人でもまだ知らない人がいるかもしれない。よくもこんな所で・・・ といったらお店の人に怒られるかもしれないが、ケーキ屋KURUMIはそんなところにひっそりとある。
 早速お店に行ってシュークリームを買った。ついでにお店の中やケーキの写真も撮らせてもらった。お店は店主の女性がひとりでやられているようで、ケーキの種類も限られているが、家内曰くあれで十分らしい。家内が言うことは常に正しい。絶対に正しい。でも、モンブランがあるといいなと僕は思う。
 シュークリームは結構美味しかった。女房が買ってきた米粉ロールもなかなか美味しかった。2丁目待望のケーキ屋さん。これからこの界隈のみんなに愛されKURUMIは繁盛していくだろう。そして、クリスマスにはKURUMIのケーキが2丁目の家々のテーブルを飾るようになるのだろう。

Saturday, August 23, 2008

鉄なべの餃子

 ”鉄なべ”は博多を代表する餃子専門店である。博多の餃子と言えば一口餃子、一般的な餃子の半分ほどのサイズである。なぜ、博多の餃子は一口サイズなのか。インターネットで調べてみたがよく分からない。気の短い博多っ子が、早く焼き上がるように小さくしたのではないかと勝手に推測する。
 鉄なべの餃子はその名の通り、鉄の鍋に入って出てくる。注文ごとに鉄の鍋に入れて焼くのである。焼き上がりはカリカリとしてて実に香ばしく、ヘルシーな感じがする。初めて食べる人は、これは餃子なのかとあるいは首を傾げるかもしれない。
 そもそも、焼き餃子は満州地方の食べ方らしい。満州から引き揚げてきた日本人によって普及されたものと思われる。満州地方では家庭で餃子を一から作って焼くのだろう。母親が餡をこね、みんなで皮に包む。そんな光景が満州には今もあるのだろうと思う。
 一口餃子を頬張りながら、遠き満州を思う。実際は食べるのに忙しいのでそんな暇はない。ビールを喉に流し込み、一口餃子をいっぺんに2・3個放り込む。これを何度も繰り返し、おなかが満たされて行く。最後にみそ汁を飲んで店を出る。博多は餃子もまた格別である。 

Monday, August 18, 2008

蛇口


 雨上がり、近くの海岸に行った。

 仮設水道がカッコ良かったので1枚撮った。

 よく見ると写真を撮ってる自分が蛇口に映ってる。

 ちょっと間抜けな感じがしたのだった。

 

Saturday, August 16, 2008

夏休み



 束の間の夏休みを取っている。1泊2日で佐賀の実家に帰り、昨日の夜福岡の自宅に戻った。
 どうしたものか連日雨に見舞われている。昨日も車で帰っていたら途中で雷雨に遭い、川のように雨が流れる道路をハンドルを握りしめ帰ってきた。今日も昼前から降り出し、今、ようやく上がろうとしている。滝のような雨音がやっと遠ざかり、蝉の声に変わろうとしている。
 雨が上がったら浜まで出掛けてみようか。明日までの夏休み、夏らしい一枚を撮って来よう。

 

Tuesday, August 12, 2008

落日


 僕が眺めている夕日は、同じ瞬間、デンマークの人がたぶん

 朝日として拝んでいるのです。

 僕が仕事を終えてビールをゴクゴク飲んでいるとき、デンマークの

 人はたぶんコーヒーを慌てて飲んで仕事に出て行くのです。

  

 



Saturday, August 09, 2008

夏草



  兵どもが夢の跡を、額に入れて飾りたくなったのです。




路地裏


 写真は先週訪れた門司港の路地裏である。ふぐの提灯が何とも可愛らしい。
 路地裏が大好きである。私自身の性分が、華やかな表舞台より目立たない裏方を好むからかもしれない。賑わう表通りより、人気もまばらな路地裏の方が何とも居心地が良い。
 株式(相場)の格言に「人の行く裏に道あり 花の山」という言葉がある。他人と逆の行動をとった方が儲かる場合が多いという意味なのだが、私の場合、路地裏を歩くことはこの心理にも似ている。美味しそうなお店を発見しないか、居心地の良さそうなバーは無いか、わくわくしながら歩いている。人が通らない道ほどきれいな花が咲いているものである。



Thursday, August 07, 2008

階段



 ドアから漏れるひとすじの光だけが階段を照らしていた。

 階段には階段の精がいるような気がしたのです。


 

Tuesday, August 05, 2008

帽子



 僕も帽子を冠ってボブディランを歌ってみたいと思うのです。

 あなた程帽子が似合うのなら。

 

Saturday, August 02, 2008

化粧水


洗面所に置いてある化粧水の瓶が気になって仕方なかった。

女房のいない間に、こっそり写真を撮ってみた。

妖しく光る化粧水。グラスに氷を入れて注いでみたくなった。

門司港駅

 写真はJR鹿児島本線門司港駅のホームである。
 門司港駅は初代九州鉄道の駅として明治24年に開設された。駅舎は大正3年に建てられ、全国で唯一国の重要文化財に指定されているらしい。当時の街の繁栄や日本の勃興を感じさせる、実に情緒のある駅である。
 昨日仕事でこの街を訪れ、ひと時駅舎の中にいた。駅舎に佇みしばし門司港が隆盛であった時代に思いを巡らしてみた。日本が中国大陸に進出し始めた時代、たくさんの外国船が門司港に碇を降ろした。この駅で汽車を下り新天地を目指した人も多かったのだろう。様々なドラマがこの駅で繰り広げられたのだろう。
 ベルが鳴り電車がホームに着いた。乗客がホームに降り立ち改札へ流れて行く。私はその人の流れの中に、往時の亡霊を探していた。