Monday, August 29, 2005

夏の終わりに

Chanpon?
近くのお寺であった盆踊り大会の帰りに、家族4人で町内に一軒だけある中華料理屋に寄ってみた。
お世辞にもきれいだとは言えない外見。恐る恐る暖簾をくぐると、老夫婦が二人で切り盛りしていた。炒飯と焼そば、それにチャンポンを注文。出て来たチャンポンはとてもチャンポンと言える代物ではなかったが、それはそれで不味くはなかった。恐らくイタリア人がスパゲッティーナポリタンを食べた時、同じような感想を持つのではないかと思うような、全く別の料理として完成していた。
作り終えて店主が「夏休みも終わりだね。宿題は終わったかな?」と娘に話しかけてきた。テレビでは日テレの24時間放送が終盤を迎え、丸山弁護士が間もなくゴールしようとしていた。僕は炒飯を食べながら、この夏の出来事を思い出し、今年の夏は本当に忙しかったなと、炒飯に付いていたスープを飲もうとしたが、横にいた娘が最後の一滴までスープを飲み干していたのであった。

Monday, August 22, 2005

メンチカツ

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とんかつよりメンチカツが好きだ。メンチカツの方が安いというのも理由のひとつではあるが、メンチカツという響きが何だかハイカラな感じがして、明治文明開化を偲ばせる気がする。
写真は下北沢の「千草」という食堂のメンチカツ定食。大判のメンチカツが2枚。衣はサクサクで中はジューシー。噛み付けば肉汁がほとばしり、タマネギの甘みが口の中に充満する。見事である。あっぱれ千草食堂。このメンチカツを食べるためだけに下北沢に行く価値はある。

Saturday, August 20, 2005

8月10日

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8月10日午後5時3分、父が死んだ。突然だった。
小さい頃から散々心配かけた。親孝行らしいことも出来ないまま父は逝ってしまった。享年78才、臨終に間に合ったのがせめてもの救いだった。
18才で陸軍に志願した父。軍隊時代の思いでを何度も聞かされた。それは父の青春であったのかもしれない。いつか靖国神社に連れていってあげたいと思っていたが、それも叶わなかった。 
初七日を終え東京に戻った。またいつもと変わらぬ日々が始まった。何事もなかったかのように、夢でも見ていたかのように・・・

Sunday, August 07, 2005

会津喜多方 vol.3









  
 マスターに教えてもらった銭湯でひと風呂浴びる。石鹸を買うのも馬鹿らしかったので、他の客から貸してもらう。聞けばその御老人も東京から来たという。もともと喜多方の出身で上京して約半世紀。新宿は大久保界隈に住んでいるらしく、身内の初盆で昨日帰省したらしい。風呂から上がると御老人はバスタオルまで使えと貸してくれた。東北人の人情の厚さを感じる。
 ”君影蔵”に取って返して、今度はカウンターに陣取る。時間は午後4時。帰りの便の発車時刻まであと1時間ちょっと。ぎんぎんに冷えたウオッカをロックでもらう。ちびちびと舐めるように飲みながらマスターとの会話が始まる。ふと、マスターが従弟に出身地を尋ねた。従弟が私たち二人とも佐賀県人であることを告げると、アイスピックで氷を割っていたマスターはぼそっと「仇同士ですね」とひと言つぶやいた。思わず笑ってしまったが、百年以上経った現代でも「戊辰戦争」の悲劇は会津に脈々と語り継がれていたのである。”戦争”という言葉は会津では「大東亜戦争」を指すのでなく、「戊辰戦争」を指すとは聞いていたが、「その通りです。」とマスターが頷いた。
 話は盛り上がったがもう時間だ。記念にとコースターをもらい再訪を約束し店を後にした。外はまだ暑かった。名残惜しさを感じながら従弟とさびれた商店街を駅の方へと向かった。

会津喜多方 vol.2

"まこと食堂"を出て造り酒屋を一軒見学した後、冷たい物でも飲もうと路地裏で見つけた喫茶店に入る。店の名は”君影蔵”。喜多方らしい蔵を改造した造り。店内に入り驚いたのはシックで趣味の良いインテリア。BGMにジャズが流れ、時が経つのを忘れてしまいそうな雰囲気が漂う。
聞けば本業は喫茶店でなくバーとのこと。土日だけ喫茶店として昼も営業しているらしい。時間は午後3時。アイスコーヒーを飲み終え、銭湯でひと風呂浴びて今度はバーに出直すこととした。

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Saturday, August 06, 2005

会津喜多方 vol.1

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とうとうここまで来てしまった。尽きることのないラーメンへの思いは、九州男児に白河の関を越えさせ、東北入りをさせたのである。
目指したのは”坂内食堂”。喜多方駅からタクシーに乗り込み10分足らずで到着。行列に並び10分、やっと席にたどり着いた。注文を済ませ、いよいよ本物の喜多方ラーメンとご対面である。透明なスープに肉厚のチャーシュー。確かに美味い。
食べ終わるやいなや、今度は”まこと食堂”へと移動。かんかん照りの中、また列に並ぶ。聞けば気温は36度。東北も暑いのである。思ったより早く順番が回って来て店内に入る。靴を脱いで上がれば中は民家の座敷のようなところ。軍服姿のご先祖の遺影が壁に掛けてあったりして妙になごんでしまった。肝心のラーメンだが、ここのも確かに美味い。チャーシューは坂内の勝ちだがスープはこちらに軍配が上がる。
食べ終えて外に出れば、全身から汗が吹き出してきた。確かに美味い喜多方ラーメン。今度は真冬に来て、凍て付く寒さの中で食べてみたいと思ったのであった。