Sunday, September 27, 2015

長崎本線

IMG_1357

 昨日、JR佐賀駅から肥前山口駅までの約17kmを友人たちとウオーキングした。昨年始めた長崎本線ウオーキングの続きである。
 長崎本線は鳥栖駅から長崎駅まで路線距離125.3km。昨日までで中原駅〜肥前山口駅間の31.1km、全区間のおよそ4分の1を踏破したことになる。全区間を歩き終えるには、年2回ウオーキングを行い、年間30kmを歩いたとして、あと3年の歳月を要することになる。
 昨日は、彼岸を過ぎたが日差しはまだ強く、日陰を探しながら沿線を歩いた。行き交う列車に手を振りながら、佐賀平野の中を黙々と歩き続けた。ようやく目的地の肥前山口駅に着いた時には、駅の階段も歩きたくないほどの疲労に達していた。
 歩き終えて温泉に入り、疲れを癒して鳥栖に戻った。帰りの列車の中、私たちが歩いた景色を車窓に探してみる。立ち寄ったひとつひとつの駅が愛おしく思える。車窓に広がる景色の中に、私たちが列車に手を振る姿があるような気がした。





Tuesday, September 22, 2015

又兵衛のニラとじ

すべての写真-432

 写真は久留米にある餃子専門店又兵衛のニラの卵とじである。ニラの卵とじ(通称ニラとじ)はそれぞれの店で作り方が異なるようである。ある店ではニラの割合が多めでニラ主体の料理になっていたり、ある店では卵がそぼろ状になっていたりするが、私の中では卵がふんわりとした又兵衛のニラとじが本当のニラとじであり、ニラとじはニラ料理ではなく、卵料理なのである。
 久しぶりに妻と訪れた又兵衛で、カウンターに出された黄色く輝くニラとじの美しさに見とれながら箸を入れ、餃子が焼き上がるのを待ったのだった。





彼岸花

IMG_0882

 シルバーウイークの初日、妻と浮羽の棚田までウオーキングに出掛けた。妻と外出するのは久しぶりだった。ひとりで行こうと思っていたのだが、妻が珍しく興味を示し、二人して列車に揺られ浮羽まで出掛けた。
 ウオーキングはJRの主催によるもので、この日は天候にも恵まれ、二両しかない久大線の列車は参加者でごった返した。片道6kmの道のり、山里の景色を眺めながら山間の棚田へと進んで行く。1時間半かけてようやくゴール地点に到達すると、棚田の畦には赤い彼岸花が、一枚一枚田んぼを囲むように列をなして咲いていた。
 その棚田で取れた新米のおにぎりを頬張りながら、棚田の風景をしばらく眺める。棚田はおよそ400年前に切り開かれたと言うから、江戸時代の初めである。それからその農家の子孫はこの田を耕し守り続けた。今も守り続けるその農家の方々に、頭の下がる思いである。
 ひとりの日本人として、日本文化の継承に功労されている農家の方々に、深く感謝したい。これからもずっとこの風景を後世のために、残して欲しいと思うのだった。
 





Sunday, September 13, 2015

浜松町にて

image

 羽田へ向かう途中、浜松町の中華料理屋で少し早い夕食を取った。時刻は4時過ぎ、まだ夕食時には早い店内には、私の他に三十半ばの女性客がひとりだけいた。
 メニューを一通り見て、ビール1本と皿うどんを頼んだ。ビールをゆっくり飲むには、麺の伸びを気にせずに食べられる皿うどんが、ちょうどいいのである。
 ビールを飲みながら皿うどんの出来上がりを待つ。女性客のテーブルには私よりひと足先にチャーシュウ麺が運ばれて来た。店員も三十半ばの男性。女性客は常連のようで、麺を箸で持ち上げながらその店員に話しかけた。明日行われるこの辺りのお祭りの話しに始まり、店員の郷里のお祭りの話し。そして女性客の仕事の話になり、今度のシルバーウイークの話しへと広がって行く。女性客は更に鶏の唐揚げを注文し話しを続けた。ちょっと間を置いて運ばれて来た皿うどんをゆっくり食べながら、私はその話しに耳を傾けた。
 浜松町の路地裏の小さな中華食堂で、そんなやり取りを聞きながら、この男女がいつしか距離を縮め、やがては結ばれることを勝手に想像した。二人が休日に映画を観に行って、食事に行ってお酒を飲んで。そんなことを想像しながら皿うどんを食べ終え店を後にした。








新宿三丁目

すべての写真-328

 新宿三丁目のどん底で知人たちと飲んだ。三丁目で飲むのは実に7年振りだった。
 十年以上前のことだが、一時期、新宿で働いたことがある。金曜日の夜、よくこの辺りを徘徊した。歌舞伎町の喧噪から少し離れた、火照りが引いた三丁目の雰囲気が好きだった。
 知人たちに遅れてどん底に入ると、すでにジャックダニエルの封が切られ、盛り上がっていた。私より一回り上の大先輩たち、この店に来るのは実に40年ぶりだとか言って懐かしがっていた。
 酔いが回ると店員たちに酒を振る舞うのが知人の癖である。料理を運んでくる店員たちを呼び止めては、一杯飲ませる。あっという間にボトルは空になった。
 次に行くぞと店を出ると、すぐ近くにあった知人の行きつけのバーに飛び込んだ。知人はここでもジャックダニエルを出させると、居合わせたお客さんにまで振る舞い始めた。
 金曜日の夜、居合わせた者たちがその夜を祝福するように、小さなバーの箱の中で酒を交わし、三丁目の夜は更けて行った。



Sunday, September 06, 2015

9月

IMG_0652

 あっという間に夏は終わり、9月になった。
 東京から帰省していた娘を見送りに、昨日、福岡空港に行った。写真はデッキで娘を見送る妻と、妹たちである。姉が乗った飛行機が離陸するのを、妻はビデオに撮り、妹は見上げ、叔母は手を振り、そして私はカメラのシャッターを押す。
 姉の背中を追い続けて来た妹も、いつしか大人になった。一人の女として姉に声援を送っているように、私には思えた。
 お前もいつかいなくなるだろう。姉のように羽ばたいて行くのだろう。そんなこと思いながら、シャッターを押した。