Tuesday, April 29, 2014

蓮華草






  手に取るな やはり野に置け 蓮華草


                     瓢水










焼きビーフン



 私の中で三大炒麺と言えば、やきそば、皿うどん(太麺)、そして焼きビーフンになる。これ以外に炒麺で何があるのかと聞かれると、少なくとも博多では焼きうどん、焼きチャンポン、焼きラーメンが挙げられる。
 三大炒麺の中でどれが一番好きかと言われると甲乙つけ難いが、やきそばや皿うどんでは胃に重たすぎる時、そんな時はちょっとライトな焼きビーフンがうってつけである。先週日曜日、近くの港のお祭りに行った帰り、ちょっと小腹が空いたので近所の中華屋で食べて帰った。
 そう言えば、東京に居た時、中華屋で焼きビーフンのメニューをあまり見かけなかったような気がする。福岡の中華屋だったら必ずと言っていいほどメニューに焼きビーフンはあるが、関東地区に展開する中華レストラン「バーミヤン」や関西地区中華の覇者「餃子の王将」でさえ焼きビーフンはない。
 これは私の推測だが、日本の中華街のほとんどは広東系だが、長崎中華街のみは福建系らしい。ビーフンの発祥を調べると福建省付近のようであり、だから長崎から広がった九州の福建系中華屋にはビーフン料理があるのではなかろうか。逆に言えば、メニューを広げて、もしそこにビーフン料理があったならば、その店は福建系と言えるのではないか。
 もし、あなたが中華屋で焼きビーフンのメニューを見かけたら想像して欲しい。その店の創業者は長崎中華街で修行をした人、あるいは長崎福建系の流派に連なる人だと言うことを。焼きビーフンを食べながら、そんな日本における中華の系譜をたどるのも、ちょっと面白いと思う。









港のバザー






  半年に一回開かれる近くの港のバザーが結構楽しい。
  ご近所さんや港の有名人たちがいっぱい居て
  日曜日、初夏を香りの中で、和気あいあいとしていたのです。










Sunday, April 27, 2014

鳥栖駅ホームのうどん



 鳥栖駅ホームのうどんは鳥栖人のソウルフードである。山を下りて帰る途中に、鳥栖で途中下車して食べた。
 うどんに乗っている肉はかしわを甘辛く煮たものであり、これがなくては鳥栖駅のうどんではない。普通の肉うどんほどくどくはなく、出汁の味を邪魔することはない。
 北部九州の食文化でかしわは欠かせない。がめ煮(筑前煮)にかしわ飯、そして雑煮の出汁にもかしわを使う。かしわという言い方も西日本だけではなかろうか。
 発車まで10分。一気にうどんを啜り上げて電車に乗り込む。車窓に広がる郷里の風景を眺めながら、帰路についたのだった。







鷹取山



 土曜日、久留米市田主丸の鷹取山に登った。以前から、田主丸に屏風のごとくそびえる耳納連山が、気になっていた。標高802m、鷹取山はその耳納連山の中にある。
 JR田主丸駅に到着する。駅からその連山を見上げる。まるで、南から筑後への侵入を阻むように、その連山は屹立している。
 駅前の住宅街を抜け、川沿いに進むと葡萄畑が見えて来た。田主丸地区は葡萄の栽培が盛んであり、ワイナリーもある。葡萄畑が終わると森へ入って行く。
 森は新緑がまぶしく、遠くからキツツキが木を叩く音が聞こえてくる。いたるとこに清流が流れ、豊かな森へ入ったことを実感する。
 その豊かな森を抜け、ようやく山頂に到着する。駅から3時間、久しぶりの登山に、私は疲れ果てていた。朝、自分で握ったおにぎりを頬張りながら、筑後の町を俯瞰する。心地良い風が平野から吹き上げて来る。しばらくその風に吹かれていた。






Sunday, April 20, 2014

各駅停車







  各駅停車の電車の中にも、春の風が吹いていました。







富松うなぎ




 富松うなぎは久留米市南部の筑後川沿いにあるうなぎ屋である。土曜日、散歩がてらに西鉄電車に乗って行ってみた。
 天神から特急電車に乗って約40分、大善寺駅で下車する。田んぼの中の道をてくてくと歩いて約30分、もうすぐ筑後川に突き当たる頃、富松うなぎの看板が見えて来た。
 看板を見上げて前回来たのはいつだったか思い起こしてみる。恐らく結婚して間もない頃、女房と二人で来たのが最後だから、約20年ほど前になる。日曜日の午後、久留米から筑後川沿いに車を走らせて来た記憶がある。
 さらに記憶を遡る。姉に初めて連れて来てもらった時のことを思い出す。何の用事だったか忘れたが、佐賀県庁に姉たちと行った帰りに、富松に行ってうなぎを食べた記憶がある。県庁では昭和天皇平癒の記帳が行われていた。昭和の終わりの記憶である。
 うな丼をひとり食べながら、そんな昔の記憶を辿った。当時のことを思い出していたら、あっと言う間にうな丼を平らげていた。何だかうな丼が勿体なかった気がしたのだった。
 



 



Sunday, April 13, 2014

目玉焼き

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    会社の行く末を案じながら、とあるバーで部下と二人飲んでいた。
    そんな重たい空気の中、アスパラのソテーが目玉焼き付きで運ばれてきた。
   しばらく二人で目玉焼きを見つめ、「目玉焼きはお前が食べろ。」と部下に譲る。
   うれしそうに「いただきます!」と部下が言う。
   目玉焼きを見ていると、何故か会社の将来は大丈夫そうに思えてきたのだった。








鯉のぼり




 土曜日、百道をひとり歩いた。中央図書館で映画を観て、サザエさん通りと言われる福岡タワーへと続く歩道を歩き、浜まで出てみた。
 浜へ出ると鯉のぼりがはためいていた。今年初めて見る鯉のぼり。もうそんな時節かと季節の移ろいを実感する。あと三週間程で五月になる。五月になれば私もまたひとつ齢を重ねる。早いものである。
 福岡タワーをバックにしながら、泳ぎ続ける鯉のぼりを、しばらく見上げていた。

 






Saturday, April 05, 2014

ハイボール






  ご近所さんの頬杖つく姿が可愛いくて
  ハイボール二杯飲みました。  






四月



 四月になった。私の回りでも、さまざまなことが始まり、あるいは変化し、動き出した。些細なことを取り上げれば、朝の地下鉄の時刻が変わり、ホームに並ぶ顔ぶれも多少入れ替わり、ああ四月なのだと実感するのである。

 
  年年歳歳花相似たり
  歳歳年年人同じからず


 さくらを見てふとこの漢詩を思い出す。そんな、季節である。