Friday, August 11, 2006

命日


0509 101
Originally uploaded by bonkley.

 8月10日、父が死んで1年が過ぎた。命日の昨日、朝から母とお寺に行ってお参りをした。1年あっと言う間であったが、あれからもう何年も経ったような気もする。
 先日、家内の父と会ったが、義父もこの暑さにげんなりしていた。今年になって入退院を繰り返している義父。私の父のことを生前は心配してくれていたが、義父自身のことも気がかりである。
 義父は戦後間もなく東京の大学に進学するため上京した。九州の田舎から当時東京の大学に進学するためには、学力もさることながら経済的にも相当恵まれていなければならなかっただろう。期待を一身に受け義父は故郷を後にし、佐世保から27時間寝台車に揺られ東京に着いた。
 東京に着くと義父は、有楽町の親戚の家を訪ねそこに下宿する。義父に有楽町のどの辺か尋ねたら、有楽町のガードをくぐって右手の路地を入ったところだった言っていたから、恐らく今の有楽町電気ビルの裏手あたりだろうと思う。日比谷公園が近いので、休みの日など義父は散歩したのだろう。そしてたまにはガード下の飲み屋で酒を飲むこともあったのだろうと思う。
 大学を卒業し義父は九州に戻ることになる。それから2年後、昭和32年にフランク永井の「有楽町で逢いましょう」がヒットする。義父は九州でその曲を、東京を懐かしみながら聴いたはずである。さまざまな思い出をその曲に重ね聴いたはずである。
 本題からそれたが、義父に有楽町を案内してあげたいと思っている。まだどこかに当時を偲ばせる風景があるはずである。ガート下で酒を飲みながら昔話を聞かせてもらいたいものである。
 

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