Monday, July 17, 2006

もんじゃ焼き


 月島にもんじゃ焼きを食べに行った。44年生きてきてもんじゃ焼きを食べたのは昨日で2回目である。15年程前に東京に遊びにきた時、やはり月島でもんじゃ焼きを食べた。当時に比べるとかなりもんじゃ焼きの店が増えたようだ。商店街の両側にもんじゃ焼屋が何軒もあり、もんじゃ通りと言う名前が付いていた。
 正直言って訳の分らない食べ物である。お好み焼きの水の量を失敗して多く入れ過ぎたような、料理としては完成されていないよう食べ物である。もともとはうどんを作った際の残りの粉を利用して作ったものらしく、明治時代から東京の下町で食べられていたらしいが、関東地方でしか普及していない。率直な感想を言えば、何故粉を多くしてお好み焼きにしないのか、非関東人、特に関西人の多くはもんじゃ焼きに懐疑的であると思う。
 とは言いつつも家族4人で楽しく焼いて食べた。ミックス焼きを二つ焼いて食べたが足らず、梅ちりめん焼きを追加した。具を炒めドーナツ状に土手を作り、真ん中に粉の入っただし汁を流し込む。最後に土手を壊し具を混ぜ合わせ、平に延ばして焼き上げる。
 焼き進むにつれ、何だかもんじゃ焼きの事が分かってきたような気がした。もんじゃ焼きは味を楽しむのではなく、調理を楽しむ食べ物なのではないかという気がしてきた。土手の中の粉汁をみんなで見つめ、今か今かと混ぜ合わせるタイミングを計る。粉汁は混沌としており、じっと見つめているうちにそこにカオスの世界を感じる。もんじゃ焼きは実に奥の深い食べ物なのである。
  

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