急遽異動となった。11月から福岡勤務を命じられた。あらかじめ異動の話は聞かされていたが、まさか福岡になるとは思っていなかった。てっきり東京だと思っていた。ショックだった。
娘たちに私から話をした。宿題をしていた上の娘が、鉛筆を握りしめたまま泣き出した。下の娘は家内に抱きついて泣いた。娘を抱きしめがなら家内が「私たちは福岡から来たの。だから福岡に帰らないといけないのよ。」と言って聞かせた。そう、私たちは帰らないといけないのだ。帰らないといけない時が来たのである。
土曜日、下の娘を車に乗せ、六本木の事務所に行った。職場を一度見せておきたかった。ブルーハーツの「1001のバイオリン」をiPodで何度も聞きながら車を走らせた。♪ ヒマラヤほどの消しゴムひとつ〜ショッキングな詩である。何か巨大な物が迫っているような気がする。
♪誰かに金を貸した気がする
そんなことはどうでもいいのだ
本当にそんなことはもうどうでもよかった。車窓から見慣れた六本木の町並みが見える。娘に会社のあるビルを指差し教えた。
まだ何かやり残したことがあるような気がする。それが何かは分からないが、必ず戻ってくる。必ず東京に戻ってこないといけない。
だから今は帰ろう。帰らないといけない時がきたのである。
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