写真は下北沢にあるカトリック世田谷教会である。私用でこの辺りによく行くが、付近は道が複雑なため、いつもこの空高くそびえる十字架を目指して歩く。
5年程前まで長崎に住んでいた。長崎はキリスト教伝来の地であり、国宝の大浦天主堂を始めたくさんの歴史ある教会がある。当時、会社の同僚で長崎の教会巡りを趣味としていた男がいたが、私も教会を見て回るのが好きで、営業の途中で教会を見つけては同僚と教え合ったものである。
現在は長崎市に編入されたが、市北部に外海町という町がある。ここは隠れキリシタンの村として有名なところであり、この村の信者は長い間迫害に耐えながら信仰を続けて来た。ここに黒崎教会という素晴らしいカトリック教会がある。煉瓦作りのこの教会は遠藤周作のキリシタン文学の代表作「沈黙」の舞台にもなったところで、23年の歳月を費やし信者たちの手によってが1920年に完成した。一枚一枚の煉瓦を信者達が積み上げ、苦難の末に完成させたのである。
教会の前は角力灘の青い海が広がる。教会から少しばかり北に行ったあたりに、「沈黙」の石碑があり、石碑には小説の一節を抜粋しこう刻まれている
『人間がこんなに哀しいのに 主よ海があまりに碧いのです』
断崖絶壁の海はどこまでも碧く、東シナ海へと広がって行く。この切り立った絶壁の道を歩き、信者たちは教会建設のため通ったのであろう。一歩一歩を踏みしめながら、来る日も来る日も通ったのであろう。
フェイク、フェイク、フェイク!
19 hours ago
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