Sunday, March 16, 2008

リコーダー

 久しぶりの連休だったが、風邪をこじらして寝込んでいる。熱はあまりないのだが、喉が痛く悪寒がする。どうやら扁桃腺が腫れているようである。
 昼前、喉の痛みもようやく落ち着いてきた。布団から抜け出しリビングの椅子に腰掛け、まだ朦朧とする中、娘たちが宿題をするのを眺めていた。
 しばらくすると、下の娘が宿題の最後の仕上げにリコーダーを吹き出した。「かりかりわたれ」という曲らしいのだが、歯切れいい音が朦朧とする脳を刺激する。我慢して聴いていたら上の娘が、うるさいから子供部屋で吹けと言い出した。私も同感だったのだが、一生懸命リコーダーの練習をしている娘に、父親として「うるさい」とは言えない。
 すると下の娘は手を止めて、子供部屋は寒いし、第一自分は宿題をしているのであって、姉にとやかく言われる筋合いはないと言い返した。どちらのいい分も間違ってはいない。仕方なく私は、「トイレだったら寒くないし、音もきれいに聞こえるよ」と提案したら、下の娘はあっさり「そうだね」と言って、リコーダーと教科書を持ってトイレに入って行った。
 間もなく遠くから「かりかりわたれ」が聞こえてきた。私と上の娘は心地よく聞こえてくる「かりかりわたれ」を笑いながら聴いた。何曲か吹いて、最後に下の娘は「エーデルワイス」を吹き終え満足そうにトイレから出てきたのだった。

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