Saturday, June 03, 2006

牛乳のしわざ

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 金曜日、一週間の仕事を終え下北沢のバーに向かって歩いていたら途中のギャラリーで個展があっていた。「牛乳のしわざ展」と入り口に書かれ、中を覗くと壁にいくつか絵が掛けてあり、白黒まだらの牛のマスクをかぶった若い男と女性がいた。その牛マスクの男は私と目が合うと表に出てきて、私に「どうぞ見て行ってください」と声を掛けてきた。一瞬迷ったが特に急いでもいなかったし、牛マスクの男も感じが良かったので入ることにした。
 中に入ると、絵の他にブラジャーとパンティーがいくつか壁に掛けてあり、奥にマジックで日付が書かれた空の1リットルの牛乳パックがずらりと展示してあった。何だか訳の分らない世界である。作品を眺めていると牛マスクの男は冷蔵庫から牛乳パックを取り出し紙コップに注いでくれた。
 牛乳のお礼にメッセージカードを買うと牛マスクの男はすごく喜んだ。何か作品の話しをしないといけないだろうと思い、何故テーマが牛乳なのか尋ねると、「牛乳って何だか可愛いですよね」と牛マスクの男は言った。なるほど牛乳は可愛いかもしれないが、展示してある作品との関連性があまりないような気がした。
 しかしながら、こういう訳の分からない世界がいかにも下北沢らしくて私は好きだ。何かを伝えようとしている。牛マスクの男は牛乳をファクターとして何かを伝えようとしているのである。
 牛乳を飲み終え表に出た。バーに向かいながら次回のテーマは絶対「コーヒー牛乳」にすべきだと思った。そしてその次は「フルーツ牛乳」にして牛乳三部作というのはどうだろうかと考えてみたのであった。

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