Saturday, November 18, 2023

シベリア菓子

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 シベリアというお菓子をご存知だろうか?シベリアは羊羹をカステラで挟んだお菓子で、昭和初期に全国的に人気を博したお菓子らしいが、製造に手間がかかるため、今では販売する店も少なくなっているらしい。
 シベリアは明治末期に東日本から中部地方で広まったらしく、九州ではほとんど見かけることがないが、2019年に佐賀の老舗和菓子店「村岡総本舗」が三越伊勢丹のバイヤーから打診を受け製造を開始。写真はその村岡総本舗のシベリアである。昨日、博多駅のデパートで見かけたので買って帰った。味はともかくこのパッケージが素晴らしい。クリスマスを連想させる色使いに伝統とモダンさを感じさせる。

 名前の由来は諸説あるようである。羊羹の部分がツンドラの雪原を走るシベリア鉄道に見立てられたという説。氷と凍土が層になったシベリアの凍土の断面に似ているという説。川崎市のホームページには、乃木将軍がシベリアの戦場へ出征する際に、上野のパン職人が甘党の将軍のためにカステラに羊羹をサンドしたものを考案し、乃木将軍がとても気に入ったと言う説も書かれている。個人的にはこの乃木将軍説を支持したい。シベリアの極寒の地で寡黙な乃木将軍がストーヴの前で「シベリア」を食べ、頬をゆるませている姿を想像するとなんだか嬉しくなってくる。

 いずれにしろ羊羹が挟まっているからシベリア地方発祥のお菓子ではないだろう。シベリア地方の人はまさか日本に「シベリア」なるお菓子が存在するとは思いもしないだろう。シベリアは和洋折衷の謎のお菓子なのである。




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