この写真も横浜大さん橋で撮ったものである。頬杖をつく女性の後ろ姿が良かったので、こっそり撮らせてもらった。
ところで、柳ジョージのアルバムに"YOKOHAMA"というのがある。もう、30年以上前、当時高校生だったが、そのアルバムを買って何度も聞いていた。当時、行ったこともない横浜を私はこのアルバムの曲の中で空想していた。私の横浜に対する憧憬は、このアルバムの曲が根底にあるように思う。それほど、繰り返し聞いていた。
それから歳月が過ぎ、一時期を私は横浜の近くで暮らすようになった。その一時期、親友が九州から遊びに来て横浜を案内したことがあった。久しぶりに再会し、赤レンガ倉庫で港を眺めながら彼と酒を飲んだ。彼もひと時、横浜で暮らしたことがあったのだが、私以上に横浜に対する思いや憧れがあったようである。港の夜景を見ながら彼は、「もし、ここに生まれていたら、どんな風に生きていただろうか。」と、ぽつりと呟いた。
人間どこで生を受けるか分からない。達観して言えば、たとえ何処に生まれようと、結局は自分自身がどう生きるかということになるのだろうが、どこで生まれ育ったかは、自分を形成するアイデンティティーの重要な要素であり、時にステータスでもある。彼のその言葉にうなずきながら、私も空想してみた。本牧ふ頭にヒップアップのカマロ、チャイナタウンにフェンスの向こうのアメリカ。柳ジョージの曲に出てくる情景に、自分たちを入れて空想した。どんなに華やかで楽しかったろうかと空想したのだった。
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