福岡県大刀洗町にある今村天主堂を見に行った。この教会は日本の教会建築のパイオニアである鉄川与助氏の手によるもので、氏の最高傑作とも言われている。
鉄川与助氏は、明治12年に長崎五島の大工棟梁の家に生まれる。氏は小学校の高等科を卒業すると家業の手伝いをしながら腕を磨いていった。大学で西洋建築を学んだわけでもなく、来日していた神父に教えを乞い、ほとんど独学で教会建築を設計から施工まで習得していったのである。氏が手がけた教会は長崎を中心に50以上あると言われており、有名な長崎の浦上天主堂も彼の作品である。
この天主堂は私の実家から車で20分ぐらいのところにある。昔からこの付近をよく通ってはいたが教会に立ち寄ったのは初めてであった。双塔の天主堂が筑紫平野の真ん中に、静かにひっそりと建っている。何ら変哲もない農村の集落に、普通ならば神社があるべきところに、ひっそりと天主堂が建っているのである。
この地は長崎や天草のキリシタン集落からは遠く孤立しており、信者たちはキリスト教が解禁になるまでの二百数十年もの間、他の土地にキリシタンがいることを知らずに信仰を守り続けたらしい。
天主堂を仰ぎ、教会のレンガ一個一個に鉄川与助氏の情熱と、信者たちの信仰の深さを感じたのだった。
フェイク、フェイク、フェイク!
9 hours ago
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