その店は下北沢駅南口を右に進み、店がまばらになった辺りにあった。ブロック塀にメニュー書きの看板が掛けてあるのでそれがカフェだと判断できたが、その看板を外せばただの民家である。門扉に「滝本」と表札があった。恐る恐る扉を開けると、店内は思った以上に客が入っていた。
一人でバーに入ることはあっても、一人でカフェに入ることはない。たまたま家内と一緒だったのでカフェを探すことになったが、一人だったならこの店に出会すことはなかっただろう。店内も基本的なところは改造されてはおらず、ただ畳をすべて板張りにした感じだった。昔、どこの家にでもあったような革張りの応接セットが置いてあり、壁には富士山の絵が掛けてある。友人の家にでもいるような和んだ感じがする妙なカフェであった。
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