Sunday, October 16, 2016

スパゲッティー

最後に追加した項目-5

 写真は博多駅近くにあるスパゲッティー屋のバジリコスパゲッティー(塩味)である。この店は福岡では珍しい、いわゆるロメスパの店である。ロメスパとは、立ち食いそば屋のようなスパゲッティ屋のことで、ロメスパの「ロメ」は路麺、「スパ」はスパゲッティの略で、有楽町のジャポネが有名である。
 特徴としては極太麺を使用し、大盛りが可能である。メニューは、ナポリタン、ジャポネ(醤油味)、バジリコ(塩味)、インディアン(カレー)など、有楽町ジャポネのメニューが、ロメスパ店の標準となっているようである。ようするに、昔喫茶店で食べていたスパゲッティーが、小じゃれたパスタと袂を分かち、独自に進化していったのがロメスパではないかと思う。
 社会人になった頃、昼飯を会社近くのスパゲッティー屋へよく食べに行っていた。メニューはナポリタンとミートソースと塩スパゲティー(ナポリタンの塩味)の三種類しかなく、塩スパゲティーの大盛りをよく注文していた。出来上がりを待つ間、ビックコミックオリジナルを読んで待つ。小さな店のテーブルにはタバスコと粉チーズが置いてあり、それをたっぷりと掛けて食べる。それが正しい食べ方だと思っていた。もう30年以上昔の話しである。
 それから、バジリコやカルボナーラ、ペペロンチーノなどのメニューが登場すると、いつしかスパゲッティーはパスタと呼ばれ出すようになった。麺も徐々に細くなって行き、細い麺に上品な量が本物のパスタであるような風潮になって行った。
 いまだにパスタと呼ぶことに恥ずかしさを感じる私は、ロメスパの出現をうれしく思う。昭和のスタイルを守り、独自の道を貫いた有楽町ジャポネに敬意を表したい。ひさしぶりに極太麺のスパゲッティーを食べながら、遠い昔に食べた塩スパゲッティーを思い出したのだった。









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