「港焼きとり本舗」は我が家から歩いて10分くらいの、港に程近いところにある焼き鳥屋である。人通りの少ない裏通りにあるため、その存在に気付いたのはオープンから5ヶ月が過ぎた時だった。
博多の焼き鳥のメニューは関東とは異なる。焼き鳥と言いながらも、豚肉のメニューが存在するのである。豚バラ肉の串焼き「豚バラ」は、博多の焼鳥屋では定番であり、メニューの最初に掲げられるほど人気がある。しかしながら、この店は鳥ものが旨い。豚バラも申し分無いが、それにも増して鳥キモや砂ズリが美味しいのである。聞けば、独自のルートで鶏肉を仕入れているらしい。新鮮なネタは、恐らく刺身で出せる代物だろうと思う。
今日は家内が飲み会で外出したため、娘二人を連れて食べに行った。狭い店内の奥にある3人掛けのテーブルに腰掛けると、上の娘は鳥皮を塩で焼いてくれとか、生意気なことを言いながら、出てきた焼き鳥を次から次に平らげ、串入れに食べ終わった串を放り込んでいった。年頃に成りつつある娘の、惚れ惚れするような食べっぷりを、喜ぶべきかどうか複雑であるが、美味しいからしょうがないかと自分に言い聞かせ、横で焼酎を飲みながら眺めていた。
3人でお腹いっぱい食べて店を出た。美味しい物を食べた後は人間は幸せな気分になれる。店主に見送られながら、人通りのまばらな路地を、3人で笑いながら家路を急いだのだった。
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