Sunday, March 29, 2009

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 舞鶴公園の桜が満開となった。花冷えがする中、ひと目桜を見ようと大勢の人が公園には集っていた。写真は昨日、舞鶴城のお堀端で撮った写真である。いつもは人気の少ないお堀の歩道も、満開の桜の下をたくさんの人が歩いていた。

 金曜の夜、4月1日付で異動となった上司と、舞鶴公園近くで酒を飲んだ。送別会をさせてくれと私はお願いしたが、左遷される上司、「恥の上塗りになるから静かに去らせてくれ。」と言われ、それ以上私は何も言えなかった。だから最後に、気心のしれた仲間だけを集め飲むことにした。
 2軒目のバーを出て、私たちは舞鶴公園へ夜桜を見に向かった。時刻は11時を過ぎていた。まだ広場ではライトアップされた桜の下で、思い思いに花見を楽しむグループが静かに宴を開いていた。仲間のひとりが一本の桜の木の下に立ち、森山直太朗の「さくら」を歌いだした。上司はその光景を穏やかな表情で見つめながら、「最後にあなたにだけ言うけど、私は悔しかった。情けなかったです。」と本音を語ってくれた。

  さまざまの こと思ひ出す 桜かな 
                    芭蕉

4月になれば、上司も私たちもそれぞれにスタートすることになる。しかし、この句のように、私たちはいつかの日かこの時のことを思い出すだろう。夜桜を見れば思い出し、森山直太朗の「さくら」を聞いては思い出すのだろう。
そうして私たちは、桜の思い出をまたひとつ増やしていくのである。








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