Sunday, December 14, 2008

舞鶴のホットドッグ屋さん

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 舞鶴・大濠公園の周辺には5軒ほどワゴン車のホットドッグ屋がある。その中の1軒、陸上競技場入り口付近にあるお店に最近良く行く。店主は「太陽にほえろ」の長さん(下川辰平)に似た、恰幅がよくて温厚そうな方である。聞けばここに店を出して40年になるらしい。
 今から40年前だから1968年(昭和43年)におじさんは店を始めたことになる。まだ、平和台球場があって西鉄ライオンズが奮闘していたころである。シーズン中はさぞかしお店も繁盛したことだろう。今では球場も無くなり随分お客さんも減りましたと、おじさんはウインナーをオーブンで焼きながら私に話してくれた。
 店の裏は福岡城の登り口で、イチョウの黄色い葉が石畳を埋め尽くしていた。おじさんは私に裏のイチョウの写真は撮りましたかと聞いた。私が撮りましたと答えると、次は桜の頃がいいですよと言って、お城の桜が風に吹かれ舞い散る様子を、嬉しそうに話してくれた。おじさんはワゴン車の窓から、ずっとお城の桜が咲くのを見てきたのである。多分、毎年桜の花びらが開くのをおじさんは心待ちにしているのだろう。私には何だか羨ましく思えた。
 雨の日も雪の日も、うだるように暑い日も凍えるように寒い日も、おじさんはホットドッグを焼き続けてきた。私は40年という歳月に畏敬の念を感じる。来春の桜が待ち遠しくなった。ワゴン車の横のベンチに腰掛け、桜吹雪を見ながらホットドッグを食べたくなったのだった。




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