Sunday, September 07, 2008

プーラールおばさんのクッキー


 写真は姉から土産にもらったモン・サン・ミッシェルの名物クッキー、通称プーラールおばさんのクッキーである。私も一度はモン・サン・ミッシェルに行ってみたいと思っているが、あいにく金も暇も持ち合わせていないので、老後の楽しみにと思っている。
 私は日常、あまりクッキーを食べることはない。クッキーよりも煎餅、ケーキよりも饅頭を好む、生来の日本人である。しかしこのクッキーは美味しかった。私が普段口にするクッキーはどれも甘過ぎ味が気取っているが、このクッキーは素朴で押し付けがましくない味なのである。美味しい美味しいと家族四人で言いながらあっという間に平らげてしまった。なので、残念ながら中身の写真はないのである。
 このクッキーの創始者プーラールおばさんは1852年に生まれたらしい。日本ではペリーが浦賀に来航する前年である。モン・サン・ミッシェルは元来修道院であるが、フランス革命から1865年までの間、監獄として使用されていたらしい。プーラールおばさんが島のパン屋に嫁いだ頃は、ようやく修道院として復活し島が息を吹き返した、そんな時代ではなかったかと思う。そして再び賑わいを見せた島で、プーラールおばさんは巡礼者をもてなすためにホテルを開業する。それが
”ホテル ラ・メール・ プーラール”である。このホテルはクッキーもだが料理も有名であり、オムレツもまたもモン・サン・ミッシェルの名物となっている。
 姉からもらったクッキーの空き缶を眺めながら、ホテル ラ・メール・ プーラールでオムレツやサン・マロ湾の海の幸を食べながらワインをぐいぐい飲んでいる自分を想像した。空想のフランス旅行を楽しんでみたのだった。


 

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