金曜日、代々木にいた。打ち合せが予定より早く終わったので、予約した飛行機までの約2時間、急遽代々木に事務所を構える友人に会いに行った。
ひとしきり喋り終え事務所を後にした。気付いたらもう薄暗くなっていた。瀟酒な四丁目の住宅街を抜け三丁目の信号に出て駅へと向かった。ここを真っすぐ行けば代々木駅に突き当たる。左手には細い路地が入り込み、路地の奥から飲み屋の灯りが漏れる。新宿の喧噪が嘘のようにひっそりとしている。新宿に勤めていた頃小田急で通勤していたが、時間があればひと駅前の南新宿で下車し、この界隈をぶらぶらしながらよく会社まで歩いた。
駅に向かいながら当時のことを思い出していた。上の娘がまだ小学校2年生だった。会社帰りに東急ハンズでおもちゃを買って帰ったり、紀伊国屋で本を買って帰ったりしてあげていた。そのころから5年の時が過ぎた。また東京勤務になることはあっても、もう東急ハンズでおもちゃを買って帰る必要は無い。
ホームに立ってそんなことを考えていたら堪らなく淋しくなった。無性にあの頃へ戻りたくなった。予期せず代々木を歩いて、私はふと、娘たちと縄跳びしたり、ブランコに乗ったり、雪だるまを作ったりしていたあの頃へ戻りたくなった。
フェイク、フェイク、フェイク!
4 days ago
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