Saturday, November 18, 2006

六六軒

 久しぶりに母と姉と3人で食事に行った。食事と言ってもラーメン屋なのだが、私の住む町に昔からある、地元では人気の店である。私も高校生の頃、学校帰りによくお世話になった。店名を「六六軒」と言う。由来は知らないが変わった名前である。
 私が確か小学校3年くらいの時に開店したから、もうかれこれ30年以上続いている。店の主人は今の店を開業する前豆腐屋で働いていた事があり、当時食料品の販売を行っていた我が家に毎朝豆腐を卸しに来ていた。当時から真面目で実直な方だった。 
 かなりお客さんが多いが、いつも夫婦二人でこなしている。10人も入れば一杯になるような店だが、決して店を広げようとはしない。最近駐車場を広げたが店舗の方はそのままである。夫婦ふたりで、ひたすら作っている。二人で手抜きをせずに作るには、この広さが限界だということを店主は知っているのである。 その欲のなさというか、身の丈をわきまえた生き方が偉い。
 厨房を覗いたら奥さんもご主人多少老けられたようだが、元気に働かれていた。中華鍋を振り回す音が店内に響き、ちゃんぽんを食べながら昔と変わらぬ光景を嬉しく思ったのだった。  

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