Monday, September 19, 2016

豚足

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 写真は先週、私の行きつけの居酒屋で撮った豚足料理の写真である。この日は女房と二人で久しぶりに外食したのだが、女房が大の豚足好きで、この日もメニューに豚足を見つけると、女房は迷わず注文した。
 博多の焼き鳥屋では塩焼きにした豚足を供する店が多いが、この店では薄く小麦粉をまぶした豚足をフライパンで焼き、それに酢醤油をかけて食べる。これがなかなか美味しくてこの店の名物にもなっており、私もよく注文する。

 私が学生だった頃、バイト先に明石の方から応援に来ていた谷やんという男がいた。身長は180cm以上あり、体重も100キロを超える大男だったが、気が優しくいつもニコニコしていた。私と谷やんは同い年だったこともあって親しくなり、休みの日に一緒にドライブに行ったりもしていた。
 その谷やんが応援を終えて明石に帰ることになった。最後の夜、屋台に行きたいと言い出したので、二人でバイト先の車を借りて、久留米の屋台まで駆けつけた。
 その時谷やんが、メニューに豚足と書いてあるのを見つけ、どんな料理か私に質問した。文字通り豚の足を焼いただけの料理だと説明すると、谷やんはニッコリ微笑んで記念にと豚足を注文した。
 久留米の小さな屋台で、力士と見紛うばかりの巨漢の谷やんが、豚足に食らいついている。その姿がおかしくて今も記憶に残っている。もう、三十年以上も昔の話であるが、豚足を見ると時々谷やんのことを思い出す。今も元気にしているのだろうかと、思い出すのである。





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