Sunday, July 01, 2007

M君

 とうとうマンションを決めた。先週の木曜日、契約書に印鑑を押した。以前紹介した、龍の通り道にあるマンションである。
 それを買うにはいくつかの問題があった。もちろん経済的な問題もあったのだが、その他にも解決しなければいけない問題があった。
 一旦はそのマンションを買う事をあきらめ、別の物件でマイホーム計画は進みつつあった。
 それをひっくり返してくれたのは担当の営業マンだった。営業マンのM君、彼が担当でなかったら、恐らくもうひとつの物件に決まっていただろう。
 M君は先週の日曜日、突然我が家に来た。他の不動産会社に転職することになったというのだ。最後に一杯奢ろうと、近くのバーに連れて行って二人でビールを飲んだ。M君は今まで無理に勧めようとはしなかった。不思議な男である。気に入った人にしか勧めないのだと言う。だから私に買って欲しいのだと言うのである。
 家に帰って妻と話した。でも、彼女は首を縦に振らない。それはそれで仕方ないと思っていた。そこで生活するのは、仕事に明け暮れる私より、むしろ彼女の方なのだから。
「お前の好きにすればいい。だけど断るなら、彼に会って断りを言ってくれ」私はそう家内に言った。そして家内は彼に会って、私が予想していた通り買う事を決めて帰って来たのである。

 マンションのエントランスを出ると1軒のバーがある。写真はそのバーの入り口にある木彫りの梟である。下北沢の行きつけの店の前にも梟がいた。どうやら梟に縁があるらしい。引越しが済んだらM君夫妻を我が家に招待して、そしてこの梟のバーで飲もうと思っている。夜が白々と明けるくらいまで彼と飲もうと思っている。   

2 comments:

Anonymous said...

おめでとうございます!
龍の通り道に暮らせるなんて
なかなかないことです!
これからの人生どんな素敵なことがあるか
楽しみですね。

bonkley said...

>inaさん
ありがとうございます。
何故だか本当に龍に会えるような気がします。
会えたらInaさんのこともよろしく言っておきますね。