Sunday, May 22, 2011

角屋食堂




 昨日、糸島の山に登った帰り、前原駅近くの角屋食堂という処で遅い昼食をとった。角屋食堂は大正10年創業と言うから、もう百年近く営業している老舗の食堂である。思わずそのノスタルジックな佇まいに誘われ、暖簾をくぐった。
 広い店内には年季の入ったテーブルと椅子が置かれ、柱に据え付けられた扇風機が首を振りながらやさしく回っている。お昼時を過ぎた店内には先客が二人、天井に吊るされたテレビを見ながら静かに食事をしていた。
 メニューを見ると定食の他に、うどん・ラーメン・ちゃんぽん・カレーやスパゲティーまである。驚いたのはハヤシライスが「林ライス」と書かれていたこと。私は漢字で書かれているハヤシライスを始めて目にした。
 あまりのメニューの豊富さに何を注文するか迷ってしまう。ちゃんぽんも捨て難いが、その林ライスも気になる。しかし今日は山登りでかなりのカロリーを消費している筈。ならば、唐揚定食にしてもそうカロリーを取り過ぎることにはならないだろう。迷った挙げ句、唐揚定食とビールを一本注文した。
 先に運ばれてきたビールを少しずつ飲みながら、唐揚げが揚がるのを待つ。厨房の方から、油の揚がる香ばしい匂いが漂ってくる。待つこと10分、登場したのが写真の唐揚定食である。まずはみそ汁を一口飲む。味噌は甘めの麦の白味噌。いかにも九州らしい濃厚な味である。唐揚げはやわらかく、食べやすいように小さくカットしてあり、その上に甘めのソースがかけてある。ビールを飲みながら、その小振りな唐揚げを口に頬張る。口の中で甘い肉汁がほとばしる。見る見るうちにビールが減って行き、皿の上の唐揚げも数が少なくなって行く。できることならば延々と唐揚げを食べ続けビールを飲みたい、そんな気持ちに駆られた。
 今ではファミリーレストランの影に隠れてしまった大衆食堂。しかし、こんな大衆食堂が今も日本のあちこちにあり、頑張って営業を続けている。愛情のこもった料理は、お腹と一緒に気持ちも満たしてくれているのである。




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5 comments:

sumiretti.com said...

山登りお疲れ様でした♪
こちら東京は午後からどしゃぶりの雨に
見舞われましたが、そちらはお天気良かったですか?
やっぱ、体力消耗したあとはお肉が食べたくなりますよね!!
私も今日は11~5時まで働いて
むしょうにお腹が空いたので、から揚げ棒&焼きそばパン&パインジュースを
しっかり食べてしまいました。
付け合せのサラダにかかっているサウ
ザンアイランドのドレッシングがものすごく美味しそう!!

Milu said...

読んでいるうちに自分が唐揚げを頬張っているような気分になってきました。
年季が入ったお店も素敵なんでしょうね。
日本はファミレスが多いですが、イタリアはまだまだ伝統が守られているので、昔風のレストランは沢山あります。
個性的な小さなお店、頑張って頂きたいですね。

bonkley said...

sumirettiさん

福岡も土曜の夜から雨が降り出し、今も降り続いています。
普段、あまり肉は食べないのですが、体力使うとやっぱり身体が欲しがりますね。そう言えば、山を下りたら大体肉を食べています。


Miluさん

イタリアの昔風レストランに行ってみたいですね。
想像するだけで、おいしそうです。
美味しいんだろうな〜

shironko said...

美味しそうな写真なので登録させて頂きました。
ほかの写真も素敵なので徘徊させて頂きます。

bonkley said...

shironkoさん


コメントありがとうございます。
また気が向いたら寄ってください。
何もないですけど、よかったらまた。