Thursday, August 16, 2007

久住(あるいは九重)

 4年振りに久住に行った。束の間の夏休み、母と姉たちとで九酔渓から長者原・飯田高原あたりをドライブした。
 久住は”九重”とも書く。一般的には火山群や周辺地域全体を指す場合に「九重山」や「九重連山」を用い、その主峰である単独の山を指す場合に「久住山」を用いるらしい。しかし、私は”久住”の字面の方が好きだ。久しく住む、本当に久しく住みたくなるところである。
 最初に久住を訪れたのは高校3年の夏だった。当時国鉄に乗って豊後中村まで行き、そこから長者原行きのバスに乗り、バス停までペンションのおじさんに迎えに来てもらった。
 その年は記録的な冷夏だった。友達と自転車に乗って峠まで行ったが、帰りに雨に見舞われ、びしょ濡れになってペンションに戻った。ペンションのおじさんが気の毒がって、夕食に豊後牛の焼肉とビールを、高校生の私たちにご馳走してくれたのを覚えている。
 あれから30年近くが経ったが、久住の風景はその頃と基本的には何も変わっていない。草原はどこまでも続き、草原の草を撫でるように風が吹いている。太古の昔から何も変わっていないのである。
 また秋に行こう。今度は草原の上に煌めく星を眺めに。悠久に輝き続ける星を眺めに。  

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