Sunday, May 20, 2007

誕生日

 昨日、45才の誕生日を迎えた。早いものだ、四捨五入すれば(する必要は何もないのだが)もう50代である。
 もう10年以上前の事だが、会社のおばさんに手相を観てもらった事がある。私が頼んだわけでもないが、観てあげるから手を出せと言われ、おばさんに両手を差し出した。するとおばさんは、私の掌の皺をしげしげと見つめ、さらりと「38才で死ぬね」と言い放った。
 当時上の娘が生まれたばかりだった。いくら何でも38才で死ぬわけにはいかない。呆気にとられているとおばさんは、手相は変わるものであり、その相も消える可能性が高いと付け加えた。
 今、こうやって生きているから、その相はいつの間にか消えたのだろう。確かに死にはしなかったが、その年は自分にとって試練の年だった。手相を信じていたわけではないが、その事がずっと頭の片隅にあった。
 38才最後の夜、テレビを見ながら私は12時が過ぎるのを待った。ようやく日付が変わった時、ほっと胸を撫で下ろした。家族は寝静まっていた。ひとりその喜びを噛み締めテレビの画面を見つめていた。

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