Saturday, May 05, 2018

山の彼方のちゃんぽん

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 5月4日、JR筑後草野駅から耳納山地を越えて八女市上陽町まで歩いた。いつも耳納山地を北側から眺めていて、南側にどんな町があるのか気になっていたのである。
 距離にして約20キロメートル、ほとんどすれ違う人もいない。耳納平を越えて八女側に入ると、茶畑が点在していた。おそらく南側の斜面が、北側のうきは側の斜面より陽当たりが良く、お茶の栽培には適しているのだろう。
 山間部には集落が点在していた。こんな山奥にも集落があったのかと驚く。里山を絵に描いたような、手入れが行き届いた田畑に家々。集落には、5月のまぶしい日差しが差し込んでいた。

 スマートフォンの地図で現在地を確認しながら、ひたすら山を下りる。時刻は午後1時、歩き始め5時間、ようやく山を下り切り上陽町の町中にたどり着いた。
 バス停で時刻表を確認して、一軒の食堂に入る。屋号は大勢屋。年老いたご夫婦が二人で店を切り盛りされていた。
 忙しそうにされていたので、注文を聞かれるまで待っていると、「ちゃんぽんですよね?」と、ひと区切りついたおばさんがようやく私に聞いてきた。おそらくこの店はちゃんぽんが一番の人気メニューなのだろう。迷うことなくちゃんぽんを注文する。写真がその大勢屋のちゃんぽんである。
 驚いたことに、ネギが乗っている。しかも、かまぼこまであと乗せである。この辺りでは、このスタイルがスタンダードなのだろうかと思うと楽しくなってくる。すこし甘めでクリーミーなスープが、歩き疲れた身体にじんわりとしみてくる。
 しかし、バスの時刻まであと20分。悠長に食べている時間はない。一気に食べ終え、勘定をしてもらう。「お待たせしてすいませんでした。またよろしくお願いします。」とおばさんが釣銭を渡しながら私に言う。また来なければいけない。山を越えてネギの乗ったちゃんぽんを、今度は高菜チャーハンと一緒に食べよう。そう思いながらバス停に向かった。





2 comments:

三鷹の隠居 said...

お体の調子はいかがですか? このあたりも懐かしいところです。小学校のころ家族とたぬしまるにブドウ狩りに行ったり、鷹取山に行ったり。随分と変わったでしょうね。

bonkley said...

メッセージありがとうございます。体長はほぼ回復し、以前通りの生活をしています。
鷹取山に行かれたことがあるんですね。今度は星野村あたりを歩いてみようと思っています。