Sunday, April 29, 2007

あきこのちゃんぽん

 その店は薬院大通り交差点近くにあり、店の名前を”あきこのちゃんぽん”と言う。何だかビックコミックにでも出てきそうな、漫画の題名のような店名である。
 三連休の二日目、ひとり自転車に乗って天神界隈を散策した。天神も十年前とは随分様変わりして、警固や今泉あたりは、こじゃれたカフェやブティックが増え、若者たちで賑わっていた。
 ようやく喧噪から遠ざかり、この店を発見した。いわゆるチャンポン屋の佇まいではない。街の雰囲気を意識してか、ちょっとカフェのような店構えである。
 テーブルに着くと迷わずチャンポンを注文。出て来たチャンポンはあっさり目でちょっとクリーミーな感じのスープで、店の雰囲気にあった家庭的な感じの味だった。
 ところで、チャンポンは家で食べるもの、ラーメンは店で食べるもの、私の中ではそういう区分けがある。家庭で作るチャンポンもそれなりに美味しくでき、母が作るチャンポンは店屋物に引けをとらない味だった。
 薬院界隈は地方から出て来た若い女性の一人暮らしも多い。ちょっと郷里が恋しくなった時、”あきこのちゃんぽん”の暖簾をくぐり、その家庭的なチャンポンを食べてみてはどうだろう。きっと佐世保出身のあきこ母さんが作ってくれる母親の味と笑顔に癒される筈である。

Saturday, April 28, 2007

糸島

 GWの初日、義母を誘って家族で糸島の海岸まで海を見に行った。糸島に行くのは4年振りのことである。
 海岸に着くと、娘たちは靴を脱ぎ、ズボンをまくり上げ海に足を入れた。私は娘たちの少し後ろに腰を下ろし、しばらく海を眺めた。
 この浜辺に若い頃よく泳ぎに来た。クーラーボックスに缶ビールを詰め込み、ひと夏に何回も来ては真っ黒に日焼けして帰ったものだ。もう20年程昔のことである。
 当時私は2度も大きな交通事故を起こし、車を持つのをやめていた。だからいつも友人の車に乗せてもらってはこの海岸に来ていた。
 娘たちが水と戯れるのを眺めながら、その頃の事を思い出した。日暮れまで泳ぎ、シャワーも浴びずに帰っていた。カーコンポからサザンの「Melody」が流れていた。

Saturday, April 21, 2007

出張の前に

 四月ももう半ばを過ぎ、来週末からはゴールデンウィークを迎える。福岡での生活にも慣れ始めた。娘たちも徐々に友達が出来つつあるようでひと安心している。
 私が住んでいる町は、博多駅から地下鉄で10分ばかりのところ。大きな公園があって、昔ながらの商店街があって、そしてちょっと隠れ家的なバーもあったりして楽しい。これから徐々に紹介したいと思う。

 話は変わるが、来週月曜から東京出張になった。今までだったら家族の待つ自宅で寝泊まりすればよかったが、今度から宿の心配をしないといけない。どのあたりに泊まろうかとネットで検索したが、下北沢にはビジネスホテルは無い。新宿にしようか渋谷にしようかと悩んだが、仕事を優先し六本木の会社付近で探すことにした。
 あれこれ探していたら熊本会館が出てきた。以前から会館の前を通っていたので存在は知っていたのだが、一般の人も泊まれるとは思わなかった。早速予約しようと、注意事項を読んでいたら、「熊本県民の方は電話にてご予約下さい」とあった。恐らく熊本県民の人は安く泊まれるのだろう。ちょっと熊本県民の方が羨ましく思えた。
 宿も取った。これで思う存分六本木で飲める。久しぶりに六本木で飲める。  

Sunday, April 08, 2007

大濠公園

 近くのレストランでランチを食べた後、家内と二人大濠公園に行ってみた。大濠公園に行くのは実に15年振りのことである。結婚する前、家内とこの公園でデートした。公園の中を散歩し美術館に行ったのを覚えている。今横を歩いている彼女は15才若かった。もちろん私も15才若かった。
 さらに15年後もこうやって歩いているのだろうか。来週は娘たちと歩いてみよう。 

Sunday, April 01, 2007

夜桜



 引っ越して1週間が経った。部屋の中に山積みされた段ボール箱も徐々に少なくなってきた。
 娘たちは近くに住む家内の両親のところに泊まりに行っている。久しぶりに家内と二人きりで夕食を取り、近くの公園に夜桜を見に行った。
 マンションから歩いて5分。鳥居をくぐり家内と二人参道を歩いた。参道のあちらこちらで宴が繰り広げられている。階段を上りきって振り返ると、福岡の町をバックにライトアップされた桜のパノラマが広がった。
 結婚して4回引越しした。引越しは大変だが色んな町に住めて楽しくもある。福岡に転勤が決まった時からこの街に住もうと決めていた。桜が見たくてこの街を選んだのである。
 家内と二人しばらく眼下に見える福岡の街を眺めた後、もと来た参道を下った。若者たちの歌声が遠くで聞こえる。春の宵の香りがした。