Sunday, November 25, 2007

筑後うどん

 一軒のうどん屋が天神外れの路地裏にある。恐らく何かの目的がない限り、この路地裏に迷い込むことはないだろう。店名を「麺工房なか」と言う。
 その存在に気づいたのは1ヶ月程前の事だった。以来何度か足を運んだが、今までうどんにありつけなかった。何故かと言うと、この店は日祝休みで11時から15時までしか開いていない。実に平日4時間でこの店は勝負しているのである。
 昨日、ようやく暖簾を潜ることができた。事前のリサーチでこの店の売りが”ぶっかけうどん”であることが分かっていたので、”ぶっかけごぼう天”を注文した。写真がその”ぶっかけごぼう天”である。
 ぶっかけは麺を茹で置きせずに、打ち立てを一から茹でるため時間がかかる。注文して10分弱、ようやくどんぶりが目の前に置かれた。タレは甘めの九州の醤油だが、麺は細くって平べったい。一般的な博多うどんではなく、どちらかと言えば稲庭うどんに似ている。しかしそのノドゴシは稲庭うどんよりモチモチとしていて腰がある。
 一気に食べ終え、店主にこれはどこのうどんか尋ねた。聞けば店主は久留米で修行したらしく、元を辿れば鳥栖の”みの屋”の一門になるらしい。そう言えばみの屋の麺に似ている。子供の頃からみの屋ではよく食べたが、筑後地方ではみの屋がひとつの流派を確立し、多くの門下生を九州一円に送り出しているのである。
 東京にいた時、ラーメンよりうどんに困った。九州人の口に合ううどん屋が無かったのである。できればみの屋の門下生たちよ、関東まで進出し筑後うどんを普及して欲しいものである。 

 

No comments: