久しぶりに長崎をひとり訪れた。20年ほど前の一時期、私たちは長崎で生活していた。上の娘が生まれた直後に長崎勤務を命じられ、娘を抱え私たちは福岡から長崎へ引っ越した。初めて経験する子育てと家族での引っ越し。そして初めての支店勤務。不安と期待を胸に秘めながら長崎に着任したのだった。
さだまさしの歌で「長崎小夜曲」と言う曲がある。1982年の曲だから私が社会人になりたての頃に発表された曲である。私の中ではこの曲が長崎のテーマソングである。長崎の夜景のようにピュアで透明感を感じるのである。
NAGASAKI‐CITY-SERENADE おすやみの僕
NAGASAKI‐CITY-SERENADE いとしい鴎
傷口は多分 坂道みたいさ
登りにするか 下りにするか
明日決めよう
この曲を聞くと長崎で子育てや仕事に悪戦苦闘した日々をなつかしく思い出す。ゲストハウスで自転車を借りて、当時暮らしていた町を訪れてみた。娘たちを遊ばせた公園に毎日歩いたバス停までの道。新緑の山の斜面に続く家並みがなつかしい。
「NAGASAKI‐CITY-SERENADE おすやみの僕、NAGASAKI‐CITY-SERENADE いとしい鴎」と口ずさみながら、公園に自転車を停めてしばらくその風景を眺めてみた。幼い娘たちの笑い声が聞こえるような気がする。時が止まったような気がしたのだった。
No comments:
Post a Comment