Saturday, January 26, 2008

梅の花

 久しぶりに舞鶴城(福岡城)に登ってみた。紅葉の時季は毎週のように足を運んでいたが、落葉し寒さが厳しくなると、いつしか足が遠のいてしまった。自転車を大濠公園からゆっくりと城内に進め、城址の方に向かった。しばらくすると梅林に出くわした。ほとんどがまだつぼみだったが、それでもいくつかの梅は花びらを開かせていた。その花を見て、ようやくここが梅林であったことに気付いた。何度もこの辺りを散策し写真も撮ったのだが、気付いていなかったのである。一体何を見ていたのだろう。
 結婚したばかりの頃、太宰府に住んでいた。近くの駅のホームに菅原道真が詠んだ歌が書いてあった。  

「東風吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春を忘れそ」 
 
朝、電車を待つ間、その歌をよく眺め暇を潰した。春先の穏やかな日には、風に乗って梅の香りがして来そうな、そんな気がしたのだった。

  

Sunday, January 20, 2008

ランドセル

 娘がリビングでランドセルを広げて宿題をしていた。何とはなしに見ていたが、娘は6年生なのでこのランドセルもあと2ヶ月で役目を終えるのである。6年間も娘はこのランドセルを背負ったのかと思うと父親として感慨深いものがある。小さかった娘が、いつしか女房と変わらぬ背丈になって、ランドセルも小さく感じるようになった。
 私は転勤族なので上の娘には小学校を2回転校させた。だから娘は3つの小学校にこのランドセルを背負って通ったことになる。転校の度に娘には辛い思いをさせてしまった。そんな辛い思い出も含めて、このランドセルには詰まっていることだろう。
 そんなことを思いながら私はランドセルを抱え上げ、ちょっとだけ背負ってみた。すると娘が勉強の手を止め、「オヤジ、キモイから止めろ!」と私に文句を言った。娘はいつしかたくましく成長していたのだった。

Saturday, January 19, 2008

浜辺のベンチ

 

 日が暮れるついさっきまで、二人が座っていた。

 今はその余韻だけが横たわっている。 

Monday, January 14, 2008

山茶花


 花びらが一枚一枚散っていくのは山茶花、丸ごと散るのは

椿らしい。赤がとても眩しかったです。



Sunday, January 13, 2008

ボート乗り場


  冬の間、ボート乗り場にはボートがない。

  ボート乗り場はボートが帰ってくる春を待っている。

  毎晩、灯りをつけてボートの帰りを待っているのです。



Saturday, January 12, 2008

鏡開き

 1月11日、昨日は鏡開きだった。夕方、会社の鏡餅を片付け、ささやかだが事務所で鏡開きを行った。鏡開きと言っても、ぜんざいや雑煮が振る舞われるわけではない。鏡餅に敷いてあったスルメをつまみに缶ビールを飲んだだけである。ひと昔前までは鏡餅を焼いてぜんざいを女子社員が作ってくれていたが、そう言った儀式も今は無くなりつつある。鏡餅もプラスチックの中にビニール袋に入った小餅が詰め込んである物で、その小餅をみんなで分けて持ち帰った。
 写真は我が家の鏡餅である。我が家の鏡開きは間違って1月10日に行ってしまった。私が誤って10日だと言ったらしく、一昨日、ぜんざいを家族で食べた。実家から送られて来た小豆を炊いて家内が作った。ちょっと小豆が固かったけど、それなりに美味しかった。しかし、おいしさと引き換えに正月は終わってしまった。あっと言う間に終わってしまった。     

Saturday, January 05, 2008

九州男

 iTunesストアでよく曲を買う。まだメジャーでないアーティストの中から、いい感じの曲を見つけ出し買うのは、何だか鉱脈を発掘したような気がして楽しい。
 そんなミュージックストアで”九州男”というアーティストを見つけた。演歌歌手かと思いきやジャンルはレゲエ。あまり期待もしていなかったが、試しに買ってみたらなかなかいい感じである。ランキングもあれよあれよ言う間に上昇し、いつの間にかレゲエ部門のトップに躍り出た。
 九州男は言うまでもなく九州出身である。本名かどうか知らないが、昔は結構この名前の人がいた。あと満州生まれで満州男さんと言う人もちょくちょくいた。
 勝手な想像だが、歌手九州男は九州男児であることを強く意識して生きてきたのだろう。あるいは、そう言う環境の中で育ってきたのだろうと思う。男は卑怯であってはならないし、臆病であってもならない。私も九州出身なのだが、私が子供の時分はそう言う風に躾けられたし、歌手九州男もまた同じ価値観の中で育ったのだろうと思う。
 アルバム「こいも俺ですばい...」を聴きながら、そんな男気を大事にする歌手九州男に親近感を持ったのだった。

Wednesday, January 02, 2008

おみくじ

 ひとりで近くの神社に初詣に行った。そしておみくじを引いた。
おみくじは中吉だった。

  めでたさも 中くらいなり おらが春

 一茶の句を思い出した。中くらいで良いのです。おらが春も。

Tuesday, January 01, 2008

新春

 あけましておめでとうございます。
 本年もどうぞよろしくお願いします。

 2008年は雪で始まった。前日から降り始めた雪は、一夜明けると薄らと野山に雪化粧を施していた。朝起きて寒いのを我慢し、実家の裏庭に積もった雪の写真を撮った。雪のところどころから青い草の芽が顔を出しているところが、なんとも新春らしくこの1枚を今日の写真に選んだ。
 1年はあっという間である。気付いてみれば人生の半分は終わってしまっている。ボトルのウイスキーに例えるならばもう半分も残っていない。だから残りを大事に味あわないといけないのである。残された時間を有効に使わなければいけないのである。
 あれもしなければいけないし、これも片付けなければいけない。あれもしたいし、これもやってみたい。
 今年も忙しくなりそうで、嬉しいのである。