Tuesday, March 12, 2024

津軽のシェフ

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 メインディッシュを食べ終えた頃、シェフがテーブルまで挨拶に来てくれた。年は50才ぐらい。白く高いコック帽が凛としてカッコいい。出された名刺の名前を見ると、雪の文字が下の名前に入っている。聞けば青森の出身らしい。青森の何処かを尋ねると、鰺ヶ沢ですと言われた。
 鰺ヶ沢には行ったことはないが、五能線の駅がある日本海に面した港町であることは知っていた。以前、東北をひとりで旅したとき五所川原まで行ったが、そのときに行けなかった町なのである。

 雄大な岩木山に空想の鰺ヶ沢の風景が私の脳裏に広がっていく。シェフとしばし津軽の話をした。津軽のシェフが作ったフランス料理に、雪解けの温かさのようなものを感じたのであった。






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