Tuesday, February 20, 2024

姫島(福岡)

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 正面に見えているのは姫島(福岡県)である。日曜日、妻と糸島に菜の花を見に行った帰り海岸を歩いているとこの風景に出会した。

 1865年10月、姫島に勤王の歌人野村望東尼は流刑となる。そして翌年9月、高杉晋作の命により望東尼は救出され、下関で高杉の最期を看取ることになる。
 病に伏せる晋作が「おもしろき 事もなき世に おもしろく」と詠むと、望東尼が続けて「住みなすものは 心なりけり」と返した。高杉享年27歳、望東尼60才の初夏のことだった。後を追うようにその翌年望東尼もこの世を去ることになる。

 そんな話を妻としながら、浜辺を歩いた。激動を生きた二人。我が子を幼くして亡くした望東尼は、狂気に走る高杉を息子のように愛おしみ、高杉は望東尼を乳母のように慕った。自らの手で時代を回天させ、ようやくやり遂げようとした時、二人は天に召されたのだった。










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