Saturday, December 13, 2014

西新カレー




 西新商店街(福岡市早良区)の路地裏に一軒のカレー屋がある。その名も「西新カレー」。カウンターだけの小さなお店で、7人も入れば満席となってしまう。
 東京の一流ホテルに勤めていたマスターが作るカレーは、なるほどホテル風の黒くてとろみのある欧風カレーである。昨今、本場インド風のスープ状のカレーが流行りつつあるようだが、私は好まない。昔ながらのとろみのあるルーでないといけない。私が好きなのはカレーではなく、カレーライスなのである。
 マスターの話しでは、そもそもカレーライスは明治時代にインドを植民地支配していたイギリスから、とろみをつけて西洋料理風にアレンジされ日本に入って来たらしい。その後、イギリスではカレーライスは途絶え、日本で独自の進化を遂げて普及。今ではとろみのあるカレーライスを食べるのは世界中探しても日本だけらしい。
 写真はカツカレー大盛り(690円)である。写真を撮らせてくれと言ったら、カレーの前にマスターが立った。その立ち方が凛としてダンディーであり、マスターがホテルマンであったことを窺わせる。
 西新カレーは、極東の片隅の路地裏にある、正統派ブリティッシュカレーの店である。






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