Saturday, September 23, 2023

百道浜の誓い

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 海に向かって三人は、きっと何かを誓ったのだろう。
 波音に掻き消されながら。






Sunday, September 17, 2023

中洲Jazz

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 中洲ジャズは、博多の中洲を中心に開催されるジャズ・フェスティバルである。ジャズを通して中洲をより活気あふれる街にすることを目標に、2009年から毎年9月に開催されている。
 中洲界隈に8つのステージが設けられ、2日間、さまざまなアーチストがステージで熱演を繰り広げる。なんと言っても、そのステージすべてを無料で観覧できるのが、中洲ジャズの最大の魅力である。無料で聞かせてもらったお礼に、私は実行委員会が販売するマフラータオルを必ず買うようにしている。

 昨夜は会社の仲間と4人で中洲に繰り出した。中洲本通りのステージをひとつずつ見ていく。途中、コンビニでハイボールを買って、喫煙所でタバコを吸いながら演奏に耳を傾ける。日が落ちて街が夕闇に包まれて行く。そんな黄昏の中をトランペットの音色が響き渡る。心地よい瞬間である。
 最後に予約しておいたビアホールのテラス席で、遠くから聞こえてくる演奏に耳を傾けながら酒を飲んだ。那珂川の歩道を行き交う大勢の人たちを眺めながら、長かったコロナ禍が収束し、ようやく平常が戻ってきたことを実感したのであった。




Thursday, August 31, 2023

夏の終わりに

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 ビル取り壊しで閉店したと思っていた行きつけのラーメン屋が
 近くで営業を再開していることに昨日気づいた。
 もう食べれないと思っていたので、見つけた時は驚喜した。
 
 後輩とバーで飲んだ帰り、そのラーメン屋の暖簾をくぐる。
 運ばれてきたラーメンに、お久しぶりですと手を合わせすすり始める。 
 後輩が僕のグラスにビールを注いでくれる。
 チャーシュー1枚目を頬張る。
 どんぶりを抱えスープを飲む。
 半分ぐらい食べ終えて紅生姜を入れる。
 チャーシュー2枚目を食べ終え、替え玉すべきか思案する。
 いやいや、ここはぐっと我慢しなければ。

 気が付けば、どんぶりは空になっていた。
 気が付けば、夏も終わろうとしていた。


Sunday, August 27, 2023

しょうゆうどん

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 夏の終わりに女房とうどんを啜りに行った。
 頼んだのはしょうゆうどん。すだちを絞って生醤油を掛けるだけ。
 あゝ、うまかった。 
 あゝ、8月が終わろうとしていた。




Sunday, August 06, 2023

夏祭り

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 私の住む地域の夏祭りに妻と出かけた。毎年8月初めの土曜日に開催されており、小学校のグランドに櫓が組まれ、地元小中学校やサークルなどが歌や踊りを披露する。
 テントがいくつも張られ、PTA等がビールやジュースにかき氷、ホットドックに焼きそばなどのお店を出店する。ここ数年わが町にも外国人の居住者が増え、出店もベトナム料理やネパール料理の店など国際色豊かになりつつある。大勢の人で賑わい、私も毎年楽しみにしている。

 グランドに用意されたビールケースの上に板を渡したベンチに腰掛け、ビールを飲みながら余興を見る。ようやく日が暮れ提灯に明かりが灯る。浴衣を着た小さな女の子が母親にかき氷を食べさせてもらっている。そんな光景を眺めながら娘たちが幼かったころを思い出しながらビールを飲む。おもちゃを買ってあげたこと。一緒に盆踊りに参加したこと。夕暮れ時の太鼓の音が響き渡る中、しばしタイムスリップしたような感覚になったのであった。





Sunday, July 30, 2023

甑大橋

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 七月の三連休で友人たちと甑島を訪れた。4年ほど前から夏は離島に行くことが、友人たちとの間で恒例行事となりつつある。今年はどこに行くか、友人たちと5月に話し合った。近場で済ませるか、それとも遠出するか。リゾート地ではない島に行くことが暗黙のルールになっており、友人の一人が甑島を提案した。

 串木野から船に乗り、1時間半ほど船に揺られる。船旅を味合うには遠すぎず近すぎない距離である。港でレンタカーに乗り込み、島を橋伝いに南下していく。写真は甑大橋の展望所から撮ったものである。まぶしい夏空の下に気品のあるカノコユリが咲き乱れていた。

 甑島列島は上甑島、中甑島、下甑島の三島で構成されており、それぞれの島が橋で繋がっている。中甑島と下甑島をつなぐ甑大橋の開通は2020年であるから、数年前まで上甑島・中甑島から下甑島への交通手段は船に頼るしかなかった。1960年より甑島の自治体4村は陳情を重ね、60年かけてようやく開通。大橋開通は島民たちの悲願であったろうと想う。

 断崖が屹立する風景の中に、カノコユリが静かに揺れている。遠い昔よりこの花はこの島に群生していたのだろう。まぶしい青空の下、海流とともに南から吹く風に、太古より揺れていたのだろう。そんなことを考えながらこの景色を眺めていた。



Sunday, May 14, 2023

豊味軒

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 写真は島根県の益田駅前にある中華料理屋「豊味軒」のラーメンである。3月に友人たちと山陰を旅し、列車の乗り換えで益田駅で途中下車し立ち寄った。

  店の中はテーブルのセットが5つ。ソファーのような革張りの椅子に白いテーブル。カウンター席はなく中華料理屋と言うよりも、昭和の喫茶店のような雰囲気である。店内はほぼ満席で途絶えることなく客が出入りしていた。

  豊味軒の開業は1960年。益田市に初めて出来た中華料理屋らしい。翌年の1961年に益田駅の駅舎(現駅舎)が竣工しているから、その1年前に豊味軒は開業している。当時は駅名も益田駅ではなく石見益田駅だったようである。戦後の荒廃からようやく復興を果たし、急速に工業化が進もうといている高度経済成長期の真っ只中に豊味軒は開業した。

 おそらく益田市民はこの店にまつわる思い出があるだろう。家族やあるいは会社の仲間とテーブルを囲み、みんなで談笑しながら中華料理に箸を伸ばした良き思い出があるだろう。そんな空想をさせてくれる店である。

  そんな雰囲気の中で鶏ガラスープの優しいラーメンを食べた。勘定を済ませレジに置いてあった出前用のメニュー表をもらい店を出る。乗り込んだ列車の中でそのメニュー表をしばし眺めながら、もし今度行くことがあったら何を食べようか、そんなことを考えながら益田を後にした。



Sunday, May 07, 2023

九重

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  久しぶり九重を歩いた。妻と二人、博多駅5時13分の始発に乗り、久留米駅で久大本線に乗り換え、豊後森駅に8時前に到着。豊後森からはコミュニティバスに乗って飯田高原へ向かう。

 連休初日は清々しい五月晴れの天気に恵まれた。膝の調子が悪いので山には登らなかったが、飯田高原をゆっくりと歩きながら宿へと向かう。鳥たちのさえずりが聞こえ、道端には小さな花々が可憐に咲き、時折吹く風が草原の草を撫でる。正面に見える山々を女房に自慢気に説明しながら、初夏の陽気の中をひたすら宿まで歩いた。

 宿に着くと久しぶりに合う宿の息子が温かく迎えてくれた。すぐに温泉に浸かることにする。風呂は貸切状態。湯船に浸かりながら足を揉み、自分の足を労う。ほのかに硫黄臭のするお湯が体全身に染み渡っていくような気がした。

 風呂から上がりビールを飲む。山あいの宿は日が落ちると冷え込んできた。薪ストーブに火が入り、居合わせた登山客とストーブを囲みながら登山談義を咲かせる。女将さんの山菜料理を肴に酒は進み、夜は深々と更けて行った。

 翌朝、朝食を済ませ女将さんが淹れてくれたコーヒーを飲み終え宿を後にした。妻と二人、バス停までの道を歩いて行く。何度も振り返りながら見送ってくれた女将さんと息子に手を振り、森の中の道を歩いてバス停に向かった。


Sunday, February 14, 2021

志賀島

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 土曜日、写真を撮りに行こうと意を決し、博多港から船に乗って志賀島へ向かった。志賀島は博多湾の北部に位置し、島とは言いながらも砂州により陸続きになっている半島で、「漢委奴国王」と刻まれた金印が発見されたことで有名なところである。

 志賀島へは何度も行ったことはあるが、船で渡ったのは子供の頃に父に連れられて海水浴に行った以来である。埋め立てにより大きな変貌を遂げた百道地区。そのシンボルとしてそびえる福岡タワーと赤銅色に光る福岡ドーム。当時と変わらないのはふ頭に立つ博多ポートタワー(博多パラダイス)がだけである。ひとり船上から風景を眺めながら、しばし昔の記憶を辿ってみたのだった。

 


Monday, February 01, 2021

グリーンカレー

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 土曜日の夕方、女房がカレーをみんなで食べに行こうと言い出した。女房と娘が好きなのは、今流行りのスパイシーでシャバシャバしたカレーである。私が好きなカレーは欧風の昔ながらの洋食屋が出すようなカレーだ。どこの店に行くのか?と尋ねるが、店まではまだ決めていないようだ。
 どこにしようかと女房と娘が話している横で、そういえば近所のライブハウスのO君がコロナでライブができないからと、カレーのイートインを始めたのを思い出した。
 私は女房と娘にO君のライブハウスに行ってグリーンカレーを食べる提案をしたら、娘がそこで良いよと言ってくれたので、家族三人で歩いてO君のライブハウスに出かけた。
  
 ライブハウスに着くとO君と従業員のK君が明るく迎えてくれた。バーコーナーのテーブルでカレーができあがるのを待つ間、従業員のK君が娘にステージの方を見せてくれた。
 K君が娘と女房に音響のことやライブのことなどを説明してくれる。薄暗いステージにはPearlのドラムセットが置いてあり、ドラムの縁に入口の照明の光が少しだけ反射して見えた。そのドラムセットの前でK君と娘と女房の3人で写真を撮って、バーコーナーに戻るとほどなくグリーンカレーが出来上がった。写真がそのO君が作ったグリーンカレーである。
 この手のカレーを私は普段食べないが、ココナッツミルクの味がする本格的なグリーンカレーではないか。あっという間に食べ終えると汗が頭からじわじわと吹き出してきた。

 新型コロナはいまだに終息する気配がない。そんな中でカレーを作って、何とかこの苦境を乗り越えようと頑張っているO君たち。明るく振る舞う彼らに頭が下がる思いがした。帰りに、配達もしますからとO君がメニューが書かれたチラシをくれた。
 桜が咲くころにはライブが再開できるようになるのだろうか。いや、必ずなってほしいと思いながら家族三人店を後にした。