Sunday, July 12, 2015

皿うどん

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 昨日、友人の父親が亡くなり、その弔問のため鳥栖に行き、同級生が家族で営む中華料理店で昼食を取った。何にするか迷ったが、一緒にいた友達は麻婆定食、私は皿うどんの細麺を頼んだ。
 皿うどんには細麺と太麺がある。本場長崎で皿うどんとだけ言ったら、細麺の方を指す場合が多い。好みが別れるところであるが、私は細麺の方が好きである。
 そもそも皿うどんは汁気の多いちゃんぽんを配達しやすくするために考案されたものらしく、具材はちゃんぽんと同じでキャベツに豚肉、イカやカマボコなどであり、炒めた具材に白湯スープを注ぎ込む。皿うどんの場合は味付けに砂糖が入り、水溶き片栗粉を入れてあんかけにする。
 細麺の麺は細いほど美味い。細いほど餡に麺が馴染みやすく、食べ始めはパリパリとして、やがて熱々の餡が麺を蒸ししんなりとさせて行く。その麺の変化を楽しみながら食べるのである。

 目の前に皿うどんが運ばれて来た。少し麺をしんなりさせたいので腕を組んで皿うどんを眺めていたら、女性の店員が「どうかされましたか?」と聞いて来た。「いや、ちょっと麺をしんなりさせたいので時間を置いてるだけです。」と私が答えると、おかしかったみたいで厨房に戻り他の店員に笑いながら説明していた。その笑い声を聞きながら、私は長崎の流儀に従いソースを掛けて、少ししんなりとなった皿うどんに箸を入れたのだった。









 

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