Monday, February 22, 2016

山荘の夜

IMG_4148

 談話室ではストーブが焚かれ、登山客たちがそのストーブを取り囲んでいる。コーヒーを淹れる者がいて、食事を作る者がいる。山を降りてささやかに祝杯を上げる者がいて、明朝、山頂を目指そうと準備する者がいる。誰もが満ち足りた顔をし、居合わせた者達が一夜の思い出を共有している。それぞれの人生の中で、この夜のことをきっと大切に綴じ込むのだろう。
 月明かりしかない山の中で、笑い声とともにそんな温かな光が辺りを照らしていた。



Sunday, February 21, 2016

大船山

最後に追加した項目-195

 2月6日、久住の大船山に登った。
 登山口まで二時間歩き、山道に入った。休むことなく続く急峻な道を登り続け、ようやく山頂に近づくと、吹雪に見舞われた。半世紀生きて来たが、これほど寒さを恐ろしく感じたことはなかった。 おにぎりや飲料水は凍って、つま先は感覚を失いつつあった。
 西から吹き付ける雪は尾根にぶつかると大きく舞い上がり、そして次の峰を目指してまた吹雪いて行く。美しさよりも恐ろしさを感じた。大袈裟かもしれないが、生きて山荘にたどり着くか不安だった。そんな中を友人二人と歩き続け、ようやく山荘が見えた時、生きて帰れたと安堵した。
 今もあの寒さが身体の芯に残っているような気がする。そして掌には山荘のストーブの暖かさも。あれから、ずっと残っているような気がするのである。




Saturday, January 23, 2016

ホットウイスキー

最後に追加した項目-278




  大寒の日、秘密基地でホットウイスキー。
  ほっとしました。






下北沢にて

最後に追加した項目-272




  いつまでも、その灯火を消すことなくその場所に、あり続けてほしいのです。






成人式

IMG_3798




   あっという間に二十歳になった
   あっという間に巣立って行った
   うれしさと淋しさの 間を私は
   行ったり来たりしている








Sunday, January 03, 2016

謹賀新年

すべての写真-471


 みなさん、明けましておめでとうございます。
 旧年中はご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

 正月も早三日。明日から仕事の方も多いと思いますが、今年の正月はいかがでしたか?
私はと言うと、近場をうろうろしている内、あっと言う間に終わってしまいました。
 写真は初詣に行った神社の福くじの賞品とおみくじです。旅行券を狙っていたのですが、残念ながら当たったのは熊手でした。しかし、くじを引いた方にはもれなく神社の人の万歳三唱が付いていました。狭い境内で万歳三唱が響き渡り、後ろで順番を待っている人が拍手をしてくれました。それがちょっと嬉しく、正月らしい風景の中で、しあわせを感じたのでした。

 さあ、明日は仕事始め。今年も頑張って良い一年にしたいと思います。
 みなさんの一年も、すてきな一年になりますようお祈りいたします。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 



Thursday, December 31, 2015

大晦日

最後に追加した項目-140

 郷里で旧友たちとの恒例の忘年会を終え、先程自宅に戻った。写真は鳥栖に昔からある喫茶店で撮ったものである。列車を待つ少しの時間、この喫茶店で軽い食事を取った。
 この喫茶店を訪れるのは実に35年振りぐらいであった。奥行きのある店内を見渡し、昔、この店に来た時のことを思い出してみる。誰と来たのだろうか?友人のYだったろうか?などど遠い記憶を思い起こしながらサンドイッチを食べた。
 客が引けて私だけになるとマスターが「帰省ですか?」と話しかけてきた。昨日帰省し、今からまた福岡に帰るところだと言うと、「うちの息子はもう三年帰って来ていない。」と笑いながら言った。
 それから、あれこれ家族のことなどを話していると、棚に飾られた女性の写真をマスターは指差し「妻が5年前に先立ち、今はひとりでこの店をやっています。」と言った。5年前、商店街組合の旅行先で心筋梗塞で急死されたとのこと。それまで元気に店へ立たれていたらしく、訃報の電話を受けた時に、電話先の相手が何を言っているか理解できなかったらしい。

 心地良くジャズが店内に流れている。長いカウンターにひとり座り、コーヒーをお代わりしてマスターと話した。妻に先立たれ、もうそろそろこの店も終わりにしようかとか思っているとマスターが言った。
「でも、いい時代に店をすることができて、しあわせでした。」
最後にマスターはそう話しを締めくくり、私も席を立った。
「よいお年をお迎えください。」
「また来ます。マスターも、よいお年を。」
そう言って店を出た。外はいつの間にか雨が降り出していた。昨夜友人たちと千鳥足で歩いた通りを、小走りに駅へ向かった。


 みなさん、一年間お付き合いいただきありがとうございました。
 今年は少し怠けて、記事の数が少なかったことを反省しています。
 一年を振り返ると、公私ともにあらたなスタートを切った年でした。
来年はどんな年になるのだろうか?
来年の今頃も笑っていれるように、がんばりたいと思います。

では、よいお年をお迎えください。




 


Wednesday, December 23, 2015

クリスマスソング

IMG_3639



 女子高生の歌うクリスマスソング。
 明るくて、溌剌として。
 良いもんです。




Sunday, December 13, 2015

師走

IMG_3577



 今朝、散髪に行った。
 床屋の親父が「 も〜、いくつ寝るとお正月?」と
 歌いながら浮かれ気分で私に聞いて来た。
 そんなに嬉しいのだろうか?
 いくつになっても、正月は嬉しいのだろう。

 天神は買い物客でごった返している。
 先週、ボーナスが出たところが多いのだろう。
 ボーナスがない私は、ちょっとさびしい気もするが
 紙袋を下げてニコニコしながら歩いている家族連れを見ると、ちょっと嬉しい。 
 お父さん、お疲れさまでした。


  毎日のように喪中挨拶の葉書が届く。
 そろそろ、年賀状の用意をしなければいけない。
 「クリスマスケーキの予約をしてきたから、24日に取りに行ってね」と女房が言う。
 なんでその店を選んだのかと心の中でつぶやく。
 「エビありがとう!」と実家の母から電話があって
 今年の御歳暮がエビだったことを知る。
 流行語大賞の流行語を聞いて、そんな言葉が流行ったか?と今年も首を傾げる。
 
 そうやって、今年も終わろうとしている。
 平和に終わろうとしている。





Monday, December 07, 2015

川崎屋食堂にて

すべての写真-405

 富岡製糸場を後にして駅に向かう。そろそろお昼時である。キャリーケースをごろごろと引きずり、飲食店を物色しながら上州富岡駅を目指す。上司が途中、ここはどうかと言う店があったが、私が却下する。私は駅を降りた時から、お昼は駅前の川崎食堂と決めていた。
 ようやく駅前に着く。表のショーウインドを見てカツ丼に決める。店内に入ると壁に富岡名物のヒレ肉のカツ丼だと張り紙がある。やはりカツ丼で間違いないのである。ビールを飲みながら待つこと10分。出て来たのが写真のカツ丼である。
 普通、カツ丼と言えば卵とじになっているが、富岡名物のカツ丼は、醤油味の少し甘めのタレで軽く煮たカツが、ご飯の上に乗っかっている。サクサクとしたカツは、タレの甘さも程よく、全体的にさっぱりとしてて食べやすい。こんなカツ丼もあるんだと感心しながら、カツ一口につきご飯三口くらいのペースで、ゆっくりと食べ進める。 
 横のテーブルでは若いカップルが、幸せそうに語らいながら食べている。男はオムライス、女はカツカレー。家庭的なカツカレーが実に美味しそうに見える。後から入って来た家族連れの客は、みんなでメニューを覗き込みながら、何にするかうれしそうに悩んでいる。
 そんなほのぼのとした空気の中でカツ丼を食べ進める。土曜日の昼下がり、川崎屋食堂ではささやかな幸せが店内に充満していた。