最近、週末になるとマンションを見て回っている。そろそろ終の住処を見つけなければならない。近隣の新築マンションのモデルルームを見学しては、ああでもないこうでもないと女房と言い合っている。なかなか理想的な物に出会さない。そもそも、理想自体が虫が良過ぎるのかもしれない。
自宅近くにとある新築マンションがあって、そこに何度も足を運んだ。あまりに行くものだから営業のお兄ちゃんと仲良くなって、今日はそのお兄ちゃんを誘って家内と三人で昼飯を食べに行った。
食事をしながら、あれこれまたマンションの話を彼から聞いた。すると彼が、このマンションは風水学上も良いのだと言い始めた。
お兄ちゃんの話では、先日、とある客が風水師を連れて見学に来て、マンションの家相を観たらしいのである。マイホームはサラリーマンにとって一生一度の買い物である。占いなどあまり気にする方ではないが、その客の気持ちが分からないでもない。興味深く聞いていると、風水師はマンション前の道を指差し、龍が通る道だと言ったらしい。
龍の通り道。風水学上で気の流れる道を指し、その流れを妨げてはならないとされている。気の流れを良くする事によって、一家は繁栄し富みに恵まれるらしい。中国大陸には大きな三つの龍脈があって、そのひとつが香港のザ・レパルスベイという高層ビルに突き当たるため、わざわざ建物の一部を空洞にしたことは有名な話である。
その風水師の話によれば、福岡の龍は荒津山(西公園)に舞い降り、一直線に参道を通り大濠公園の池へと向かうらしい。だから参道沿いに建つこのマンションは、大変縁起が良いらいしいのである。
食事を終え、ひとりで西公園へ向かった。光雲神社の石段に腰掛け、暫し参道を眺めた。ここを龍が通っているのである。夜明け前にそのマンションのベランダに立てば、参道を行く龍が見れるような気がした。一瞬突風が吹き、参道の木々が大きく揺れたかと思うと、銀色に輝く龍が音も立てずに一気に通り抜けて行く。そんなことを空想していると、無性にそのマンションが欲しくなったのだった。
Sunday, June 10, 2007
龍の通る道
Tuesday, June 05, 2007
Saturday, June 02, 2007
目には青葉
目には青葉 山ほととぎす 初鰹
有名な山口素堂の句である。昨日からもう6月、5月はあっという間に駆け抜けてしまった。
先週の土曜日、近所の魚屋から鰹のタタキを買って来て調理した。調理したと言っても、タタキにしてあるものを買ったのだから、盛りつけたと言うべきだろう。新玉葱を薄くスライスし大皿に敷き、その上に大葉を並べ、そして鰹を置いた。さらに鰹の上にスライスしたニンニクを乗せ、たくさんの小ねぎを振りかけ、最後にスダチを搾ってできあがり。遊びに来ていた義妹も「お兄ちゃん、美味しい!」と喜んで食べてくれた。
一昨年、大阪に出張した際、定年間近の大先輩と飲んだ。その時大先輩が、この間、弟が鰹を一本ぶら下げて遊びに来て、鰹を肴に一晩飲み明かしたと話していた。
私はその話を聞きながら、頭の中でその光景を想像して楽しんだ。兄は縁側に腰掛け、煙草をふかしている。すると、庭の向こうの田の畦のような道を遠くから男が歩いてくる。よく見ると弟だ。弟は嬉しそうに鰹を一本ぶら下げている。兄に近づくと満面の笑顔でその鰹を高く上げ兄に見せびらかす。
兄と弟は台所に立ち鰹を捌く。やがて料理は出来上がり、テーブルに刺身やタタキが並ぶ。酒は焼酎である。ロックグラスに大きな氷を1個入れイモ焼酎をなみなみと注ぐ。
気付いたらとうに日は暮れている。兄は弟に泊まれと言い、さらに酒を勧める。終いには兄弟二人出来上がって、ひっくり返って寝てしまっている。
勝手に想像しながら、我が家にも誰か鰹を一本ぶら下げて来てくれないかと、うらやましく思ったのだった。
Sunday, May 27, 2007
運動会
今日は小学校の運動会だった。上の娘はもう6年生になるが、運動会を観に行くのは今回が3回目である。仕事の都合で観に行けない年が続き、実に3年振りの運動会だった。
運動会は秋の代表的な行事だったが、今では春の行事になりつつある。娘は3回小学校を変わったが、すべて春に運動会が行われた。
私が小学生だった頃は、お昼のお弁当のデザートはりんごや梨や茹でた栗が定番であったが、それも今ではサクランボやオレンジなどにその役を譲りつつある。
娘たちは、サクランボを食べると運動会を思い出す事になるのだろうか。季節柄しょうがないが、ちょっと淋しい気がする。
Saturday, May 26, 2007
ゼリー
家内の妹がゼリーを買って遊びに来た。
涼しげで清楚で、ちょっとそのゼリーに見とれてしまった。
口にすれば少しばかりお酒の味がして、とても上品な美味し
さである。
いつでも遊びに来ていいから、また買って来ておくれ。
Friday, May 25, 2007
憂鬱
妻が浮かぬ顔をしている。東京が恋しいのだと言う。
あれほど福岡に帰りたがっていた妻。郷里の福岡を自慢していた妻。帰ってみたら、何かが違っていた。望郷の思いは、いつしか記憶を美しく変えてしまっていたのだろう。
テレビに東京の街が映し出される度、妻は懐かしそうに見つめている。遠い昔のことのように。
Sunday, May 20, 2007
誕生日
昨日、45才の誕生日を迎えた。早いものだ、四捨五入すれば(する必要は何もないのだが)もう50代である。
もう10年以上前の事だが、会社のおばさんに手相を観てもらった事がある。私が頼んだわけでもないが、観てあげるから手を出せと言われ、おばさんに両手を差し出した。するとおばさんは、私の掌の皺をしげしげと見つめ、さらりと「38才で死ぬね」と言い放った。
当時上の娘が生まれたばかりだった。いくら何でも38才で死ぬわけにはいかない。呆気にとられているとおばさんは、手相は変わるものであり、その相も消える可能性が高いと付け加えた。
今、こうやって生きているから、その相はいつの間にか消えたのだろう。確かに死にはしなかったが、その年は自分にとって試練の年だった。手相を信じていたわけではないが、その事がずっと頭の片隅にあった。
38才最後の夜、テレビを見ながら私は12時が過ぎるのを待った。ようやく日付が変わった時、ほっと胸を撫で下ろした。家族は寝静まっていた。ひとりその喜びを噛み締めテレビの画面を見つめていた。
Sunday, May 13, 2007
母の日
娘に「ママのために作ってあげて」と言われ作った。ケーキもカーネーションも私が買って来た。ふと、母の日は、世の中の実体としては妻の日じゃないかという気がした。
でも、みんなおいしいと言ってくれた。まあいいか。
Saturday, May 05, 2007
自転車に乗って
気が付けばGWも明日まで。後半は天気に恵まれず、今ひとつ盛り上がらないまま、またいつも通りの日々が帰って来ようとしている。
話は変わるが、最近休日は自転車に乗って街中をブラブラ探索している。カメラを首からぶら下げ、大濠公園から護国神社〜赤坂〜薬院付近の写真を撮ったり、美味しそうな店を探すのは結構楽しい。
川崎に住んでいた頃は、自宅付近に坂が多く、自転車に乗ることはなかった。久しぶりに平地に住んで、自転車の便利さ、気持ち良さを痛感している。
福岡の街中をひと通り回り終わると、最後にまた大濠公園に戻りベンチに腰を下ろす。ちょっと前までいた家族連れや学生たちはもういない。公園はひっそりとその表情を変えている。
夕暮れの中、ジョギンクしている人がいる。夕陽を見つめている老夫婦がいる。語らいながら歩くカップルがいる。そんな風景を眺めながら、煙草をくゆらす。何でも無い一日が静かに終っていく。
