実家に帰って久しぶりに姉と丸星ラーメンセンターに行った。私の記憶では人生で初めて訪れたラーメン屋は丸星ラーメンである。小学校に上がる前、伯父の車に乗せてもらって行ったのが、丸星ラーメンだったと記憶している。家で食べる即席ラーメンとまったく別物の豚骨ラーメンを食べて、同じラーメンなのになぜこんなに味が違うのか不思議に思ったのだった。
それから、中学生になると筑後川に釣りに行くようになった。川に釣り竿を投げ入れ、丸星ラーメンに行ってラーメンを食べる。川岸に戻ると友達の竿には魚が掛かっていたが、私の竿には掛かっていなかった。何度か行ったがいつも私は坊主だったのを記憶している。
久しぶりに食べた丸星ラーメン。昔より少ししょっぱく感じたのは私が歳をとったせいかもしれないが、それでも懐かしい味だった。どんぶりには「祈る安全運転」と書かれており、長距離ドライバーに対する創業者の思いが今も受け継がれている。
まだ高速道路が無い時代、九州の大動脈であった国道3号線で、トラック運転手は丸星を目指して走り続けた。丸星でラーメンを食べることを楽しみにしていたドライバーは多かっただろう。そんなドライバーの無事を祈り続けた創業者の思いを、これからも受け継いでいってほしいと思うのだった。