Sunday, April 29, 2018

折尾堀川沿い

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 写真は折尾駅東口の堀川沿いに連なる飲食店街である。再開発が進む折尾駅周辺、この風情ある飲食店街も、あと数年で消えてなくなる。その前に一度歩いておこうと、ひとり折尾駅で下車した。
 江戸時代初めまで遠賀川は、大雨の度に氾濫し流域の村々に大きな被害をもたらしていた。 福岡藩主黒田長政は、その対策として遠賀川の中間から洞海湾へ運河を通すことを計画する。着工から約140年をかけてようやく堀川は完成したらしい。

 一軒だけ開いていたラーメン屋に入り、餃子を焼いてもらいビールを飲む。餃子が焼けるのを待ちながら、年老いた女店主に再開発のことを聞いてみた。店主が言うには、再開発による撤退まであと6年らしい。「さびしくなりますね。」と私が言うと、街も人も同じであたらしく生まれ変わる必要があるのだと言われる。その言葉が、私には自分自身を納得させるために、たどり着いた結論のように聞こえた。

 餃子が焼き上がった。博多の餃子よりは大振りで板状の形をしている。ラー油の代わりにテーブルには一味唐辛子が置いてあった。醤油ダレにその唐辛子を落として餃子をつける。街も人も生まれ変わらなければならい。その言葉を反芻しながら餃子を食べ進める。あるいはそれは決意なのかもしれない。この街とともに戦後を生き抜いてきた女店主の、確固たる決意かもしれない。そんなことを考えながら最後にラーメンを注文した。



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