福岡の焼き鳥のメニューで一番人気と言えば”豚バラ”だろう。写真は昨日、小学校の夏祭りに出ていた焼き鳥の屋台で、豚バラを焼くところを撮ったものである。名前の通り豚のバラ肉を焼いたものであり鶏肉ではないため、他の地方の方からすれば外道扱いされそうだが、福岡、あるいは九州では焼き鳥屋で最も人気のあるメニューではなかろうか。
しかし、何故福岡では焼き鳥屋に豚があるのだろうか?
そもそも関東の焼き鳥はその部位の種類が九州より多い。ぼんじり、ふりそで、さえずりなどの希少部位のメニューを関東ではよく目にする。おそらく鳥料理について言えば、関東は九州よりも一歩先を進んでいると思う。一方で九州には鹿児島をはじめとして、豚を好んで食する文化がある。これは台湾、沖縄ルートで入ってきた食文化だろうと思うが、恐らくそのような食文化の違いが、福岡の焼き鳥屋に豚バラを登場させたのではないかと思う。
豚バラの焼き鳥。こんがりきつね色に焼けた豚バラ肉は木炭の燻した香りを身にまとい、一口頬張ればジューシーな肉汁を口の中に充満させ、私たちを遠い世界へと誘う。焼き鳥としては外道かもしれないが、その美味しさは他の焼き鳥のどれにも代え難いのである。